大学時代の成果を少しでも多くの人に 札幌市立大デザイン学部が卒業研究展
【北海道・札幌】札幌市立大学(札幌市南区)デザイン学部の「卒業修了研究展」が24日、札幌駅前通地下のイベントスペースで始まりました。 会場となったのは、札幌駅前通地下歩行空間「チ・カ・ホ」の札幌駅側イベントスペース。このように、オープンスペースで研究展を開催するのは初めてです。
テーマを決めるまでが「一番大変」
同大学事務局の中澤美和子さんによると、「札幌市立大学が開校して10年が経つのですが、大学でどのような勉強をしていてどのような成果を発表しているのかを、より多くの方々に知ってもらうと同時に知名度を上げていきたいと考えて、オープンスペースでの開催を決定しました」とのこと。実際、展示がスタートしてからすぐに多くの人が受付で説明を受け、展示に見入っていました。
同大学には、今回の「研究展」を行なったデザイン研究科のあるデザイン学部と看護学部の2学部あります。1年生のときにデザイン学部と看護学部が共通の授業を受け、2年生のときにはそれぞれの専門分野を学び、3年生のときに再び共通の授業を行うことで、専門性をそれぞれ学んできたことに生かせるという他にはなかなかない授業体系となっています。 「デザイン学部の学生が看護のことを知り、看護学部の学生がデザインのことを知る。例えば、『病室が殺風景だ』という課題が看護学部の学生から出されたらデザイン学部の学生がデザインを考える、というようにお互いの共通項を見つけ出して形にしていきます」(中澤さん)
そして、4年生になるタイミングで研究対象を決定、「作品」と「論文」のどちらかの方法で製作していきます。今回は約100点の研究の中から一部を展示、学生の手作りによる雑貨を販売している「アートマーケット」も行っています。 同研究展の委員長を務める同大学4年生の四辻梨奈さんは、「私も含めて、多くの学生がテーマを決めるまでが一番大変です。私は最初『作品』にしようと思っていたんですが、夏に『論文』に変更しました。そこから一気に書き上げていきましたが、根性のある学生が多いので、テーマが決まってからは教授や仲間の意見を聞きながら完成させていきました」と話していました。 このようにして完成した4年間の集大成の中から、「作品」を中心に15点が展示されています。札幌市立大学の「卒業修了研究展」は2月29日(月)まで開催、入場は無料です。 (ライター・橋場了吾)