稼ぎ頭はシャインマスカットやナガノパープル、台湾の富裕層向けが好調 長野県の農産物輸出額は過去最高24億円
■コメや市田柿、牛肉も好調
県農政部が28日までにまとめた2023年の県産農産物の輸出額(推計値)は、前年比23・1%増の24億7969万円で、13年の調査開始以降で最高となった。稼ぎ頭のブドウが需要の高い台湾向けで伸びた他、コメも香港や台湾、シンガポール向けが増加。飯田下伊那地域特産の市田柿や、牛肉も大幅に増えた。 【写真】「柿すだれ」で乾燥させて作る市田柿。輸出額が大きく伸びた
輸出額は県農協グループや、輸出に意欲的な生産者や事業者による「県農産物等輸出事業者協議会」への聞き取りに基づき、県が推計した。
品目別では、ブドウが12億8300万円(前年比28%増)で全体の51・8%。シャインマスカットをはじめ、県が開発したナガノパープルやクイーンルージュが台湾の富裕層向けなどに伸びた。
コメが3億800万円(34%増)で続き、市田柿は台湾向けが好調で2億7100万円(28%増)だった。牛肉は「和牛ブーム」で香港向けが大幅に伸び、2・7倍の2億3千万円。モモは凍霜害による不作で1億100万円(63%減)となった。
輸出先別では、台湾が12億6100万円(64%増)で、全体の50・9%を占めた。香港が7億6千万円(16%減)、米国が1億3200万円(17%減)、シンガポールが7400万円(4%減)など。
県農産物マーケティング室は、ブドウなどの引き合いが強いとし、「バイヤー招聘(しょうへい)を重ねるなどして(輸出の)物量を増やしたい」とした。