手負いの尊富士が110年ぶり新入幕優勝 1914年夏場所の両国以来 豪ノ山を破る
「大相撲春場所・千秋楽」(24日、エディオンアリーナ大阪) 東前頭17枚目の尊富士(24)=伊勢ケ浜=が豪ノ山を押し倒しで破り、13勝2敗で初優勝を決めた。新入幕力士の優勝は、1914年夏場所の両国以来、110年ぶりの快挙となった。 【写真】豪ノ山を押し倒しで破り優勝を決めた尊富士 後ろの観客も口を開けて快挙を見守る 場内の大歓声で迎えられて土俵に立つと、立ち合いで右で張って左を差すと、右上手を取って一気に前へ。一度は持ちこたえられたが、左からすくって再び寄り、最後は土俵下へ押し倒した。 尊富士は表情を変えず大きく息を吐いた。 尊富士は14日目の朝乃山戦で2敗目を喫した際、右足を負傷。車いすで引き揚げ、装具で右膝下を固定された状態で救急搬送されていた。NHKの中継で解説を務めた師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)は患部の状態について「状態はあまりよくない。(右の)足首をちょっとけがしてます」と説明。千秋楽の出場が危ぶまれたが痛みを押して土俵に上がり、劇的な白星を収めた。