【園児バス置き去り死亡事件】まもなく初公判 「園自体が千奈さんの人生の一部」 無神経さに怒り 静岡
2022年9月、静岡県牧之原市にある認定こども園の送迎バスに3歳の女児が置き去りにされ死亡した。検察は後にバスを運転していた当時の理事長 兼 園長とクラス担任の2人を業務上過失致死罪で在宅起訴し、2024年4月23日に初公判が開かれる。 (以下は、2023年11月15日に配信した記事の再掲載で、データ等は当時のものです) 園児バス置き去り死亡事件 検証委が園や関係者を痛烈非難「命を預かる業務であるという意識が薄かった」
杜撰な管理で女児が死亡 4人を書類送検
2022年9月5日。静岡県牧之原市にある認定こども園「川崎幼稚園」で河本千奈ちゃん(当時3)が登園バスに置き去りにされ死亡した。 園側は到着時に車内に取り残された児童がいないか確認していなかったほか、クラスを受け持つ職員も千奈ちゃんが教室にいないことを認識していたにも関わらず、別の職員に確認することも、保護者に問い合わせることもしなかったという。 当日の最高気温は30.5℃。警察の実験では車内の温度は40℃超だったことがわかっていて、後にバスを運転していた理事長 兼 園長(当時)の増田立義 氏やクラス担任など男女4人が業務上過失致死の疑いで書類送検され、検察による捜査は今も続いている。
すれ違う遺族の思いと園の意向
事件を受け、川崎幼稚園を運営する学校法人 榛原学園は遺族との間で「川崎幼稚園を廃園にする」という約束を交わしたとされている。だが、川崎幼稚園の当時の事務長であり、現在は榛原学園の理事長を務める増田多朗 氏は2023年9月4日に応じた取材の際「ご遺族の悲痛な思いというものは十分に理解している一方、希望者がいる以上は園の継続はしていかなければいけないと考えている」と述べ、事件以降も新入園児を受け入れている理由については「入園希望者がいれば受け入れる」「入園希望者がいる以上は園を継続する」などと主張した。 一方で、千奈ちゃんの両親が事件翌日に榛原学園や川崎幼稚園の幹部と面会した際に記録した音声データを聞くと、多朗氏が「廃園するにしても段階的に廃園していくとか、今いる子供さんを一気に転園させるということは、市の方には我々の意向は伝える。その時に『どういう風に、どう進めていくか』という話は多分されると思うので」と話している様子がハッキリと残っていて、「廃園の方向に向かって考えてくれるのか?」という問いには「一筆書くつもりでいる」と返している。また、多朗氏は「当然、私ももう川崎(幼稚園)から手を引く」とも言っている。