信託報酬が年0.1%を下回るJ-REITアクティブファンド、分配金利回りに着目して年4回決算型で登場
SBIアセットマネジメントは、J-REITに投資するファンドで最安コストの「SBI・J-REIT(分配)ファンド(年4回決算型)」(愛称:SBI日本シリーズ-J-REIT(分配))を5月8日に新規設定する。当初募集が4月19日に始まる。J-REIT市場は、史上最高値を更新した国内株式市場と比較して、大きく出遅れた資産として注目されている。その中から、配当利回りの高さに着目し、アクティブに投資対象を選定するファンドとして信託報酬率は年0.099%(税込み)と異例の低さを実現している。これは、J-REITを投資対象とした投資信託の中で、インデックスファンドも含めて最安の運用コストになっている。新NISAの成長投資枠の対象ファンドとして届け出がされる予定だという。非常に低い運用コストで、株式と比較して出遅れているJ-REITに、年4%を超える高い配当利回りで投資できるファンドとして注目される。
J-REIT(国内不動産投信)市場は、2020年3月の「コロナ・ショック」以降に、景気悪化懸念に加え、DX(デジタル・トランスフォーメーション)の進展などによるオフィス需要の減退などが嫌気されて人気が離散。その後、内外金利上昇による資金調達コストの上昇圧力などがかかったことによって、投資対象として敬遠される状況が続いている。例えば、「コロナ・ショック」前の2019年12月30日を100として、「J-REIT指数」、「日経平均株価」、「S&P500」を比較すると、2024年3月21日現在で、「日経平均株価」が173、「S&P500」が163のところ、「J-REIT指数」は84という水準であり、株価に比べて大幅に出遅れた水準にある。
J-REITの価格が低迷していることに伴って予想分配金利回りが上昇している。過去10年間の予想分配金利回りは4%割れの水準がほとんどだったが、2024年4月1日時点では、J-REIT指数ベースで予想分配金利回りが4.45%になっている。日経平均株価の配当利回りが株高によって4月には1.6%台になっていることと比較しても、J-REITの予想分配金利回りの高さは魅力的だ。