気象解説者・片平敦さんに聞く 大阪に雪が降らない理由は?
気象解説者・片平敦さんに聞く 大阪に雪が降らない理由は? THEPAGE大阪
ツイッターなどのSNSで大阪の話題を見ていたら「大阪って雪降らない」「大阪は雪が積もらない」といった投稿が目についた。筆者も大阪市内で長年暮らしているが、積雪の記憶はあまりない。素朴な疑問だが、大阪は雪が降らない理由があるのだろうか? そこで、関西テレビ「ゆうがたLIVEワンダー」などでおなじみの気象解説者、片平敦さん(ウェザーマップ所属)に聞いてみた。 【拡大写真付き】晴れてるのに虹?と大阪で多数ツイート。片平敦さん「これは水平環」
大阪は雪が舞う回数...思う以上に降っています
「雪が降るかどうかを統計的に考えると、大阪は雪が舞う回数を考えると、皆さんが思う以上に降っています」と片平さん。しかし、なぜ雪が降らないイメージがあるのかというと「それは積もる回数がそう多くないからではないでしょうか」と続ける。 片平さんによると、東京の場合は南岸低気圧という南海上の低気圧が発達しながら進む際は、九州のあたりからだんだん進み、近畿の南を通って関東地方のあたりまで近づいていく時には、だいぶ成長している。 雨雲がだいぶ北まで大きく広がっていると、関東地方も雨が降るパターンが多いものの、関東地方に近づくころには低気圧がだいぶ力をつけており、北の方から冷たい空気を思い切り吸い込んでくるような状況になっているという。 あと、関東地方の地形の影響もあり、群馬県や栃木県では山が多いため冷たい空気がたまってしまい、それらが低気圧が近づいてくると東京や埼玉へと引っ張り込んでくることもあると話す。それにより、先述の雨ではなく雪で降るということがあるという。
近畿地方、冷たい空気がたまる場所少ない
一方、それを大阪に置き換えた場合はどう考えられるのだろうか。まず、東京と大阪の緯度がどれくらい北にあるかを比べたらだいぶ違う。大阪府の北のほうで雪を降らせるような冷たい空気がたまる、東京でいう群馬・栃木両県のような場所があるかというと、実は近畿地方ではそういう場所は多くないという。 先述のように、低気圧はどんどん発達しながら北から冷たい空気を吸い込むパワーを持っている状態というのは、どちらかというと関東地方に行ってからというケースが多いため、大阪の南ではそこまでのパワーがない。 「そう考えると微妙なところではありますが、大阪が南岸低気圧で冷たい空気を引っ張り込んで、雨じゃなく雪を降らせるくらいのパワーを持った状態で大阪へ近づいてくるのは、実は東京よりも可能性としてはそんなに多くないと考えられます」(片平さん)