中日本航空と防災協定 大台町、三重県内の自治体で初 被災状況など上空から撮影
三重県多気郡大台町と中日本航空㈱(松岡滋治代表取締役社長)は、災害が発生した場合に、町の要請を受けた同社がカメラを搭載した航空機を飛ばし、現地の被災状況などの航空写真を撮影して、迅速な対応につなげる「防災協定」の調印式を24日午後1時半から町役場で行った。同社との協定は、県内の自治体では初めて。
同社は愛知県西春日井郡豊山町に本社を置き、同町の県営名古屋空港にヘリコプターなどの航空機67台を所有、航空事業や調査測量事業を手掛けている。今回、同町と協定を結んだのは調査測量事業で、航空写真撮影の他、航空レーザー計測などを行う。 同町では、2004(平成16)年に台風21号が宮川地域を襲い、死者6人、行方不明者1人の被害をもたらした経験がある。気候変動による異常気象が頻発する昨今、災害が発生した場合の迅速な人命救出や被害把握に努めるため、今回の協定を結んだ。 協定では、災害により道路が寸断され、被害の把握が困難な場合、町が同社に協力を要請。要請を受けた同社は名古屋空港からカメラを搭載した軽飛行機を飛ばし、現地の被害状況を上空から撮影して、データを町に提供する。それを受け、町は警察や消防などとも情報を共有し、迅速な人命救助や被害の全体把握に努めたいとしている。同社によると、名古屋空港から同町までは最短で約30分で到達でき、計6時間ほど飛行できるという。 調印式に出席した大森正信町長は「早期復旧や被災した町民への迅速な対応など、安全安心な地域社会を目指していきたい」とあいさつ。同社の鈴木浩二調査測量事業本部長は「いつどこで災害が発生するか分からない。早期の情報収集に努め、弊社の機敏性を活用して、速やかな情報共有をしていきたい」と話した。