オスプレイ墜落事故「無関係な人は誰もいない」 陸上自衛隊は飛行訓練を中止 佐賀で進むオスプレイ配備に影響は
鹿児島県の屋久島沖で29日、アメリカ軍のオスプレイが墜落しました。佐賀空港ではオスプレイの配備に向けて、陸上自衛隊駐屯地の建設工事が進められていますが、県民からは不安の声が上がっています。 【写真で見る】佐賀空港で進むオスプレイを配備するための駐屯地の建設工事
目撃者「左のエンジンが火を噴いて爆発した」
第十管区海上保安本部などによりますと、29日午後、アメリカ軍横田基地所属のオスプレイが屋久島沖で墜落しました。 目撃者 「左のエンジンが火を噴いて爆発して、プロペラが沖の方に飛んでいった。その直後に墜落した」
8人が乗っていたオスプレイ 捜索続く
オスプレイには8人が乗っていて現場付近の海域では30日も捜索が行われています。
陸上自衛隊は目達原駐屯地での飛行訓練を中止
RKB 原口佳歩記者 「目達原駐屯地では墜落事故を受けて予定されていた飛行訓練が中止となりました」 佐賀県吉野ヶ里町の陸上自衛隊目達原駐屯地では、12月3日の創立記念行事でオスプレイのデモフライトを行うため、29日から飛行訓練を実施していました。しかし、今回の墜落事故を受けて急遽、30日に予定していた飛行訓練と12月3日のデモフライトを中止しました。
知事は「米軍に原因究明求める」
佐賀県の山口祥義知事は30日今回の事故原因の究明を求める考えを示しました。 佐賀県 山口祥義知事 「やはりそれ(事故)に対して丁寧に対応するということが重要だと思います。米軍に今回の原因ということに関しては徹底的に追及してもらうように要請したいと思います」
佐賀空港西側で進む駐屯地の建設工事
防衛省は、佐賀空港にオスプレイを配備するため佐賀空港の西側に駐屯地を建設する工事を進めています。完成すれば17機のオスプレイが配備され目達原駐屯地のヘリも移設されます。佐賀県民はどう受け止めているのでしょうか? 佐賀駅前で佐賀県民は 「昨日みたいなニュースが流れると、佐賀にもそういうことがあったらやっぱり嫌だな、怖いなって思います」 「いろんな面でやっぱりそれに関わる人たちが危機感をもって接しないと人命も関わってくるし、一番大事なのは人の命ですからね」
「リスクは国全体に」
佐賀空港へのオスプレイ配備に反対している佐賀大学の吉岡剛彦教授は、一部の人にだけ関係する問題ではないと訴えます。 佐賀大学教育学部 吉岡剛彦教授 「一番影響受けるのはもちろん周辺の住民の人たち、それから有明海で漁業をしている人たちでありますけども、オスプレイが飛行する地域は佐賀県、それから九州全域におよぶということが予想されます。リスクの高まりというのは地域全体、国全体にもおよぶものなので無関係であるという人は私を含めて誰もいないんじゃないかというふうに思います」
求められる自衛隊の説明
自衛隊は、オスプレイの安全性を確認しているとして、佐賀空港での工事を進めてきました。今回墜落したオスプレイはアメリカ軍の所属ですが、事故原因の究明と事故の防止策を自衛隊としても改めて説明する必要がありそうです。