佳子さま、只見線「応援」 福島県の会津各地ご訪問、魅力に触れる 住民ら「お言葉励み」
秋篠宮家の次女佳子さまは11日、全線復旧して間もなく2年となる福島県のJR只見線の名勝地をはじめ会津の各地を訪問された。子どもたちをはじめ沿線の関係者らとの交流を通して活性化に向けた取り組みや路線の魅力に理解を深め、「私も応援しています」と温かい言葉を送った。住民らは貴重な機会を喜ぶとともに、会津が誇る伝統や文化を今後も守り抜くための励みにしていた。 ■子どもらの活動に感銘 柳津町役場を訪れた佳子さまは、JR只見線の応援活動などに取り組む只見線こども会議の関係者らと懇談された。このうち、只見町の角田杏さん(13)=只見中2年=は鉄道を応援する活動が評価され、ふくしまジュニアチャレンジのグランプリに選ばれた経緯などを福島民報の紙面とともに紹介。「只見線を世界一応援する人が多い路線にしたい」と話すと、佳子さまは「私も応援しています」とエールを送った。観光列車運行のための署名活動に対しては「(実現したら)ぜひ乗ってみたい」と心を寄せた。
同町の鉄道ファンの角田淳紘さん(10)=明和小4年=はビーズで作った列車などの成果をたたえる言葉をもらい、「『すごいですね』と言ってもらえてうれしかった」と笑顔を見せた。同席した只見線地域コーディネーターの酒井治子さん(43)は「地域の取り組みに感銘を受けられている様子だった」と交流を振り返った。 ■奥会津の風景に感動 三島町の第一只見川橋りょうビューポイントで、佳子さまは只見線こども会議のメンバーから贈られた小旗やうちわを振りながら列車が鉄橋を通行する様子を笑顔で見守られた。奥会津郷土写真家の星賢孝さん(75)=金山町=が撮影した四季折々の只見線・奥会津の風景写真を手にした際には「素晴らしいですね」と感動した様子だったという。「頑張ってください」とのお言葉を受けた星さんは「魅力を知ってもらい、応援していただけることは心強い」と語った。 佳子さまの案内などを務めた内堀雅雄知事は記者団に対し「接した多くの人が笑顔になり、元気になった。お姿に優しさや温かさを感じた」と謝意を述べた。
■文化や歴史に関心 鶴ケ城「赤瓦と白壁美しい」 佳子さまは会津若松市も訪問し、会津の文化や歴史に理解を深められた。県立博物館では、伝統行事「サイノカミ」の展示などを見学した。案内役を務めた川名義則館長によると、赤べこや起き上がり小法師(こぼし)などの伝統工芸品の仕組みや由来にも関心を寄せたという。 鶴ケ城では「赤瓦と白い城壁のコントラストが美しいですね」とたたえた上で、再訪への意欲を示されたという。案内役の福島一郎会津若松観光ビューロー理事長は「お言葉を励みに歴史を次代に伝える責務を果たしたい」と誓った。