「日本のサービスってこんなだっけ?」…在日中国人が1400円の定食に衝撃を受けて激怒したワケ
高いお金を払わないと良いサービスは受けられない
この女性は怒りながら、話を続けた。 「私は中国生まれの中国人ですが、日本の大学に留学後、もう日本に15年ほど住んでいます。日本企業や中国系企業に勤め、これまで各地を旅行したり、さまざまなレストランや旅館を体験したりしてきました。各地で受けた日本の飲食店のサービス、接客、そして、旅先で出会った人々はすばらしいと感じてきましたが、正直、ここ2年くらい、『日本のサービスって、こんなだったっけ? 』と疑問に思ったり、不審に思ったりすることが増えました。 よく覚えているのはコロナ禍の2022年頃のこと。飲食店の自粛がなくなり、久しぶりに、ある立ち飲み屋さんに行ったとき、店員が上手にビールを注ぐことができず、私の目の前で何度もやり直しをしていたことです。いかにも慣れない手つきで、危なっかしかったのですが、それを見て、コロナ禍の影響で、ベテランの店員が全員辞めてしまって、この人しかいなかったのかなと思いました。あくまでも私見ですが、この頃から、人手が足りず、十分なサービスができない状況が各地で増えてきて、今、その問題が一気に顕在化してきたような気がします」 この女性はこのようにまくし立てた。そして、「もうあの店には二度と行きません。でも、これからの日本では、もっと高いお金を払わないと、これまでに私が体験してきたような、すばらしいサービスは受けられなくなるのかもしれませんね……」と話していたが、このように感じていたのは、この女性だけではない。 同じく22年頃から、私のもとには、在日中国人や、中国から来日した観光客、以前日本に住んでいて、コロナ禍以降、3~4年ぶりに懐かしい日本にやってきたという、日本語が堪能な中国人などから、「日本のサービスの質の低下」についての率直で厳しい意見が次々と舞い込むようになった。 後編『在日中国人が「日本のサービス」を見て「ここは中国か?」と思わずもらした衝撃の理由』でも、詳しく解説する。
中島 恵(ジャーナリスト)