銅板壁面装飾 彩り添える 池田氏制作、根室市新庁舎で除幕式
北海道根室市の新庁舎の市民向け内覧会が開かれた20日、1階エントランスホールの壁面装飾除幕式が併せて行われた。装飾品「母なる大地・聲(こえ)の輝き」は大地みらい信用金庫が寄贈、制作は根室出身の銅版画家・池田良二氏(77)で、独特の光沢を放つ銅板が白と木目のホールに彩りを添えている。 装飾品は同ホール吹き抜けの壁面に飾られた高さ4・5㍍、幅9・5㍍。内覧会に先立って池田氏、大地みらい信金の遠藤修一理事長、石垣雅敏市長ら6人が除幕を行った。 遠藤理事長は「根室と苦節を共にしてきた私どもとして心ばかりの寄贈。地域づくりの拠点となることを願う」とあいさつ。石垣市長は遠藤理事長や池田氏に謝意を示しながら「根室をイメージするコンテンツ、未来の根室に向けたメッセージが込められている。この作品と共に新庁舎が50年、100年先の街のランドマークとして愛され、親しんでもらえるよう取り組みたい」と述べた。 池田氏によると銅版の裏には次代を担う地元の子供たちの夢や希望、後世に伝えたいことが書かれており、ヘラ絞りの技術で作られた半球体は、直径70㌢の物が根室の「朝日」、残る五つ(直径30㌢)は根室の歴史に関わったアダム・ラクスマン、大黒屋光太夫、高田屋嘉兵衛、松浦武四郎、チャールズ・リンドバークをイメージ。 さらに、17個の円柱帯(直径10㌢)は、SDGs(持続可能な開発目標)の17の目標と、根室出身の高橋掬太郎と飯田三郎による「ここに幸あり」の楽譜を表現。最上部の6個の半球体(直径13㌢)は、市民憲章の6項目を表し、下部の開口部はネムロの「ロ」で、子供たちの未来に向けた聲を届ける│との思いが込められている。 新庁舎は地上4階地下1階、延べ床面積6976平方㍍で、5月7日から供用開始となる。
釧路新聞