白石麻衣は令和の“実写化クイーン”だ どんなジャンルにも溶け込める俳優としての強み
白石麻衣、『オクラ』『教場0』『テッパチ!』で見せた“新たな一面”
10月8日よりフジテレビ系で放送がスタートした『オクラ』ではまた一味違う役に挑戦している。捜査一課特命捜査情報管理室・通称“オクラ”所属の女性刑事・結城倫子は元ヤンキーで、気もけんかも強い勝ち気な性格。白石本人は「倫子は曲がったことが嫌いな、まっすぐ生きている女の子なんですけど、私も結構寄り道をしないタイプなので、自分と似ている部分もあるなと。そういう自分がすでに持っている軸は倫子にも活かせるなとも思いつつ、言葉遣いなどは全く別なので、「強く伝わるように言わないと」と心がけています」と語っている(※)。 果たしてどんな強気な女性が見られるのかと楽しみにしていたら、『テッパチ!』(フジテレビ系)の桜間冬美とも、『風間公親-教場0-』の鐘羅路子とも違った意味で強烈だった。第1話から吉岡雷(前田旺志郎)に舌打ちをお見舞いし、飛鷹千寿(反町隆史)には「いいからさっさとやれ!」と辛辣な一言を繰り出す。ここまで喜怒哀楽をはっきりと表した役は珍しく、白石の新たな一面が見られたような気がした。かといって、嫌味ったらしく感じないのは白石の魅力である、自然体なセリフ回しや表情、所作だけではなく、そこで生まれるいい意味でドライな演技は作品で悪目立ちしない。どんな作品、どんなジャンルでも溶け込むことができるのは俳優・白石麻衣の強みなのかもしれない。 この先、『聖☆おにいさん』や『アンダーニンジャ』の出演が控えている。白石は過去にも『やれたかも委員会』(2018年/MBS・TBS)や『ゾン100~ゾンビになるまでにしたい100のこと~』(Netflix)といった漫画原作の作品にも出演し、漫画的なキャラクターを実写としてのリアリティを持たせる白石の演技が高く評価されてきた。筆者は『聖☆おにいさん』を試写したが、白石の振り切った演技には驚かされた。まるで2次元のキャラクターが画面の中で生きているような存在感。それでいて、実写映画として違和感のないリアルな佇まい。この先いつか、新たな“実写化クイーン”と呼ばれる未来がやってくるだろう。 参照 ※ https://realsound.jp/movie/2024/10/post-1801982.html
川崎龍也