SUPER EIGHT最新作にも キスマイ、CUBERS、MeseMoa. ……男性アイドルから考察する“つんく♂提供曲”の面白さ
SUPER EIGHT「なんだかThat's 青春!」は“つんく♂構文”?
さて、冒頭で触れたSUPER EIGHTへのつんく♂提供曲は、タイトルが「なんだかThat's 青春!」と公表されている。本稿執筆時点(7月29日)ではまだ音源が未公開だが、曲名だけでも、これまでのつんく♂ワークスに頻出するキーワードで構成された“つんく♂構文”感あふれるもので、自然と期待が高まる。 “青春”というワードは、プッチモニ「青春時代 1.2.3!」(2000年)、EE JUMP「青春のSUNRISE」(2002年)、Berryz工房「青春バスガイド」(2009年)などこれまで何度も使用されており、モーニング娘。のシングル表題曲だけでも「Memory 青春の光」(1999年)、「青春コレクション」(2010年)、「青春小僧が泣いている」(2015年)、「青春Night」(2019年)など多数。カップリングやアルバム曲も含めればまだまだ存在しており、つんく♂にとっての“青春”とは一大テーマなのだろう。 “That's”というワードは“青春”ほど多くはないが、℃-uteのアルバム曲「That's the POWER」(2007年)、モーニング娘。'21のアルバムタイトル『16th~That's J-POP~』(2021年)などに見られる。 面白いのは“なんだか”というワードで、これはモーニング娘。'24の8月14日発売予定の両A面シングルの一方の表題曲「なんだかセンチメンタルな時の歌」で使用されている。この曲は先日5月27日の日本武道館でのモーニング娘。'24コンサートで初披露された際、そのアバンギャルドな曲調が話題になった楽曲。SUPER EIGHTとモーニング娘。'24の同時期に制作/リリースされる楽曲に同じワードが使われているというのが面白いし、なんらかのリンクを見出すことができるのかどうか、今から楽しみである。 昨今のシティポップブームを鑑みると、シュガー・ベイブの名盤『SONGS』に収録されている「今日はなんだか」という曲名を連想してしまうのだが、おそらくつんく♂にとってはいずれも計算とかではなく、すべて無意識がなせる創作なのでは、という気が強くする。だからこそつんく♂提供楽曲は面白い。
ピロスエ