「まちづくる」未来志向のまちづくり トヨタとパナソニックの技術で社会課題解決へ 住民主体でつながり育む仕組みが鍵
計画段階から共感で始まるコミュニティー形成
「Live News α」では、コミュニティデザイナーで、studio-L代表の山崎亮さんに話を聞いた。 堤礼実キャスター: ーー新しい街をつくる試み、どうご覧になりますか? コミュニティデザイナー・山崎亮さん: 地域の課題解決を進める際に、何か新しいものを作れば、状況が改善すると思われがちだが、大切なのは、新しいものを作るのではなく、これまでなかった「使われ方」を考えることです。 「まちづくり」で言えば、その地域にはなかった「暮らしを提案」することではないでしょうか。 堤キャスター: ーー今回の取り組みを成功させるための鍵は何でしょう? コミュニティデザイナー・山崎亮さん: 空き地を造成して建物を建てて、入居者を募る「まちづくり」。 コミュニティーの形成や運営、そこで暮らす人のライフステージに合わせて、住まいをリノベーションしたりする「まちづくる」。 この2つの関係は、「まちびらき」の前後で、ゆるやかな重なりが必要になるでしょう。ここでポイントになるのが、人がつながっていく仕組みを考えることです。 堤キャスター: ーー具体的には、どのような取り組みになるのでしょうか? コミュニティデザイナー・山崎亮さん: 「まちびらき」のあとにコミュニティー形成を始めるよりも、計画立案時期から、まちのコンセプトに共感する人たちに集まってもらうこと。 そして、つながりを作ったり、学びあったりすることが有効ではないでしょうか。そのためには「まちプロデューサー」の存在が鍵になります。
住民が主体的に楽しみ学び取り組むまちづくり
堤キャスター: ーーその「まちプロデューサー」とは、どんな役割を担うのでしょうか? コミュニティデザイナー・山崎亮さん: 「まちプロデューサー」は、住民の言うことを何でも聞けばいいわけでもなく、住民の主体性を引き出すようなコミュニケーションが必要になります。 一方で、住民はお客さんでもある、その場、バランスが難しいだろうと思います。もしかしたら、生徒の持っている力を引き出す塾の先生のような存在かもしれないです。 地域の課題を代わりに解決してしまうような「まちプロデューサー」ではダメでしょう。 住民が楽しみながら学び合い、地域の課題に取り組んでいく状況を生み出す。これが住民の主体性を損なわないように、「まちづくる」を続けていくための要点になるはずです。 堤キャスター: 街は、人によって作られていくものです。 自分がどんな街で生活したいのか、人々とどんな交流を図りたいのか、一人一人が考えてみるといいかもしれませんね。 (「Live News α」10月22日放送分より)
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