『ヤッターマン』詫びない懲りない諦めないドロンボー一味の迎えたちょっと切ない結末
ヤッターマンの最終回、覚えていますか?
さて、そのような『ヤッターマン』の最終回となる第108話「アワテルローの戦いだコロン」は、序盤から不穏な空気が立ち込めています。ドロンボー一味の三悪がいつものようにインチキ商売の準備をしていたところ、ドロンジョが、毎回謎の人物「ドクロベー」から「ドクロストーン」目当ての無理な指令を押し付けられてはヤッターマンにやっつけられる生活が嫌になった、新しい人生を生きるんだわ、とボヤキ始めます。 とりあえず来週からはボヤッキーがボスになることにして、いつも通りにインチキ商売で稼いだ金でメカを作り、ドクロベーからの指令に従い、ブランス国の皇帝、チビレオンの持つ辞書を手に入れるため、アワテルローの草原に出発したのでした。 すったもんだの挙句、三悪はドクロストーンはアワテルロー博物館の地下にあることを知ります。そこにヤッターマンが駆け付け、これが最後とばかりに大量の「メカの素」を使用、次々と現れるメカの前に、三悪のメカは簡単に破壊されてしまいました。 ボロボロになりながらもかろうじて博物館にたどり着き、三悪はドクロストーンを発見するも、ここで重大な事実が発覚します。実はドクロベーは宇宙人であり、ドクロストーンは彼の体の一部だったのです。最後のドクロストーンを見つけ、完全体となったドクロベーは宇宙へと帰ってしまい、三悪は置き去りにされてしまいました。 目的を失った三悪はそれぞれに別れを告げ、どこかへと立ち去って行きました。子供心にも、少々ビターなエンドだったと思えます。もっとも、三悪のたどる3つに分かれたはずの道はすぐにひとつになっていたので、もしかしたら再び合流したのかもしれません。 余談ではありますが、2008年に放送されたリメイク版の最終回では、旧作同様、3つに分かれた道をそれぞれが進んでいくものの、最終的にはこの3人が分かちがたい絆で結ばれていることがはっきりと示されています。 すでにドロンジョ様役の小原乃梨子さん、ボヤッキー役の八奈見乗児さん、トンズラー役のたてかべ和也さんの全員が鬼籍に入られてしまったのは残念極まりありませんが、もし旧作の最終回に寂しさを感じたことがあるならば、ぜひリメイク版の最終回を一度、観ていただければと思います。
早川清一朗