星組人気スター暁千星 光と陰…もきらめく フィナーレは得意のキレキレダンスでファンを魅了
星組人気スター暁千星がシアター・ドラマシティ(大阪)、東京建物Brillia HALLで、2度目の東上主演作「ミュージカル・ロマン『夜明けの光芒』」に臨み千秋楽まで完走。フィナーレでは、武器のダンスでもファンを魅了した。 主人公は、鍛冶屋の弟子ながら、あこがれの人に見合う「紳士」になりたいと願う青年ピップ。暁は情感たっぷりに表現した。 今作は、英文豪チャールズ・ディケンズ作の「大いなる遺産」をもとに、鈴木圭氏の脚本・演出で、ミュージカル化。宝塚では90年に月組でも上演されており、ピップの成長物語として描かれた。 舞台は19世紀初頭のイギリス。両親を亡くしたピップは、テムズ河口近くの田舎町で、姉が嫁いだ鍛冶屋へ。近所の大邸宅から、養女エステラの遊び相手として招かれ、高慢ながらに美しい彼女に心を奪われる。「彼女に見合う紳士になりたい」と願うピップ。暁は、その揺れる心情も繊細に演じた。 相手役ヒロインのエステラは、103期の瑠璃花夏(るり・はなか)が務め、東上作初ヒロインとなった。ピップがロンドンで共同生活を送り、作法を学ぶハーバートに105期の稀惺かずとが抜てきされ、熱演を見せた。 暁は12年入団。月組に配属され、高い身体能力を生かしたダイナミックなダンス、173センチ長身の舞台映えするルックスで注目され、22年に星組へ移った。 昨年の本拠地作「1789-バスティーユの恋人たち-」では、トップ礼真琴の休演で急きょ主演。月組時代に新人公演で主演した主人公ロナンを演じた。 続く博多座公演「ミー・アンド・マイ・ガール」では、専科の水美舞斗と役代わり主演。今年に入っても、本拠地正月作「RRR×TAKA“R”AZUKA~√Bheem~」「VIOLETOPIA」で、劇団きってのダンサー礼との高速ダンスで魅了するなど、躍進を続け、存在感に重みは増すばかりだ。 【村上久美子】(ニッカンスポーツ・コム/芸能コラム「宝塚~朗らかに~」)