小学生の子がいます。「子どもの将来のため」と習い事を2つ以上させている知人が多いのですが、実際に小学生の習い事は平均でいくらくらいですか?
Aさんの子は小学5年生です。知人たちに「塾に行かせないと勉強が遅れる」と言われたので、習い事に加えて塾通いをさせたいのですが、妻に「お金がない」と言われました。 子どものやりたいことをさせてあげたい、可能性を広げてあげたい、と考えるご家庭は多いと思います。しかし、そこで気になるのが費用です。習い事にお金をかけすぎるあまり家計が逼迫(ひっぱく)してしまったり、将来の子どもの進学費用が足りなくなってしまったりするようなことは避けなければなりません。 本記事では、小学生の習い事や塾の費用の平均はいくらくらいなのか、どれくらいお金をかけてもいいのかと合わせて、習い事の費用を抑える方法をお伝えします。 ▼会社員で「年収1000万円」以上の割合は? 大企業ほど高年収を目指せる?
公立小学生の習い事の平均額は月2万円
文部科学省「令和3年度子供の学習費調査」によると、公立小学生の学校外活動費の平均額は、年額で約24万8000円。月額にすると2万円強になります。 学校外活動費は、学習塾費や家庭教師費などの「補助学習費」と、スポーツや芸術などの習い事の費用である「その他の学校外活動費」とに分かれています。それぞれの費用を学年別に見てみましょう。 【図表1】
さらに、同調査の学習塾の費用だけを見てみると、公立小学生は年額8万1158円、私立小学生は年額27万3629円となっていますが、ここには塾に通っていない人も含まれています。 同調査によると、公立小学生の61.1%、私立小学生の27%は塾に通っていません。塾に通っている人のみの平均額は、公立小学生は年額20万8000円、私立小学生は年額37万5000円であり、塾に通っていない人を含む平均額とはかなり差があることがわかります。
習い事の費用を抑えるには?
習い事の予算は、世帯の手取り収入の5%が目安です。例えば、世帯の手取り収入が400万円なら習い事の予算は月額1万7000円、手取り収入が500万円なら2万1000円、手取り収入が600万円なら2万5000円です。 しかし、子どもの人数が増えたり学年が上がったりすると、予算内に収めるのはなかなか大変です。習い事の費用を抑えるコツを紹介しますので、参考にしてみてください。 (1)自治体などが主催する教室を利用する 水泳やサッカー、ダンスなどの教室を自治体などが主催して行っているところがあります。また、公民館や放課後、休日の学校を利用して、地域の人や卒業生がスポーツや勉強、将棋などを教えてくれるような取り組みもあります。お住まいのエリアで利用できる教室がないか、探してみましょう。 (2)きょうだい割引を利用する 兄弟姉妹と同じ習い事に通う場合に割引を受けられる場合があります。教材を共有できたり、お下がりを使えたりとさらに費用を抑えられる場合もありますので、積極的に利用しましょう。また、お友達と同じ習い事に通う場合には、紹介制度やキャンペーンなどがないか確認しましょう。 (3)オンライン講座を利用する 語学やプログラミング、絵画など、オンラインで受けられる講座も充実してきています。比較的安価なだけでなく、交通費や保護者の送迎が不要で、引っ越しても続けられるなどのメリットもあります。 (4)補助金制度を利用する まだ少数ですが、自治体によっては子どもの習い事や塾の費用を助成してくれるところがあります。所得制限を設けている自治体がほとんどですが、千葉県南房総市の教育サービス利用助成事業は所得制限なし、大阪府大阪市の習い事・塾代助成事業は2024年10月分から所得制限が撤廃される予定です。 また、塾独自の支援制度や奨学金制度があったり、保護者の勤務先の福利厚生制度で塾の入会金や受講料の割引が受けられたりする場合もありますので、事前に確認しておきましょう。 これらの工夫の他に、定期的に子どもと話し合うことも重要です。子どもが楽しく習い事に通えていればいいのですが、思っていたのと違った、興味がなくなってしまった、他にやりたいことが見つかったなど、本当はやめたいと思っているのに「やめたい」と言い出せなくて仕方なく通っているケースも見受けます。 親としては「せっかく始めたのだから」と思ってしまう気持ちもあるでしょうが、やめ時を見逃さないことも大切です。本人の気持ちや意欲を尊重し、応援してあげられるといいでしょう。 出典 文部科学省 令和3年度子供の学習費調査 南房総市 学校外教育サービス利用助成券交付申請について 大阪市 大阪市習い事・塾代助成事業 大阪市 【令和6年10月利用分から】大阪市習い事・塾代助成事業の所得制限を撤廃します 執筆者:宮野真弓 FPオフィスみのりあ代表、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者
ファイナンシャルフィールド編集部