70代男を公務執行妨害容疑で逮捕 男女2人刺殺事件、事情知る?
千葉県柏市高柳の住宅敷地内で18日、この家に住む渡来敏明さん(59)と妻の礼子さん(59)が刺殺された事件で、県警は19日、現場近くに住む70代の男を公務執行妨害容疑で逮捕した。県警は、男が渡来さん夫婦が死亡した経緯についても知っているとみている。捜査関係者への取材でわかった。現場近くの住宅街で起きた火災についても、放火によるものとみて、男に詳しく事情を聴く方針。 【写真】火災現場を調べる警察官ら=2024年12月19日午前10時29分、千葉県柏市、友永翔大撮影 県警は19日午前、夫婦の殺人について柏署に捜査本部を設置し、120人態勢で捜査している。捜査関係者によると、火災で全焼した8棟の家の住人のうち、行方が分からなくなっている70代の男が2人を刺した疑いがあるとみて行方を追っていた。 捜査本部によると、18日午後6時10分ごろ、渡来さん宅の近くに住む女性が「家の裏に人が血だらけで倒れているようだ」と110番通報。2人暮らしだったとみられる渡来さん宅の敷地内で2人が倒れており、心肺停止の状態だった。敏明さんは胸部、礼子さんは左胸などに、刃物による複数の傷があった。腕や手のひらには、相手の攻撃を防御する際についたとみられる傷も確認されたが、現場では凶器は見つかっていない。 また、渡来さん宅の室内には争ったような形跡があり、室内からは血痕のようなものも見つかった。敷地内に逃げ出した2人を男がしつように追いかけて刺殺した可能性もある。 事件と前後して、現場の北東約700メートルの住宅地で木造平屋建て住宅付近から出火し、計8棟が焼ける火災があった。男はこのうち1軒の住人とみられ、県警は殺人と放火の両方に関わっている可能性があるとみて調べを進めるとみられる。(杉江隼)
朝日新聞社