Awich、日本のヒップホップ史に残したマイルストーン 渡辺志保が考察
多面的かつ圧倒的なAwichの魅力
Awichといえば、名実ともに、現在の日本のヒップホップ・シーンを率いる存在。3時間にも及ぶアリーナ公演のピリオドを打つべく、最後のセクションには彼女と共演を重ねてきた、国内のヒップホップ・シーンを盛り上げる屈指のラッパーたちが登場する。¥ellow Bucks、DOGMA、鎮座DOPENESS、そしてANARCHY。行き着く暇もないまま、ありったけのエネルギーを放出するかのようにマイクで攻めまくるAwich。オーディエンスも、気を緩めずに加勢する。「そろそろ終わりに近づいてきました。みんなとこの時間を共有できたこと、このシーンにとって本当に意味があります」と客席に伝え、「SUPER GILA GILA」をキック。ステージの奈落からはJP THE WAVY、そしてYZERRが加わり、熱狂のクライマックスへと進んでいく。 最後、ファンの顔を一人一人見るようにして歌ったのは「Love Me Up」。アリーナならではの演出で、どんどん上に昇っていくブランコに乗りながらの歌唱だった。キラめく紙吹雪と、ブランコに吊り下げられたベールに彩られたAwichの表情は、大きな偉業を成し遂げた女王ならではの、なんともいえぬ充足感に満ちたものだった。 そして、今回の一大公演においては、全編にわたって母たるAwichのパワーも強く感じた。実際、ステージ上には愛娘のToyomi(Yomi Jah)も参加し、「Call On Me」ではプロのダンサーも顔負けの圧巻のソロ・パフォーマンスをお披露目。かねてから自身もラップで参加していた「TSUBASA」ではラップに加えてダンスも披露し、友人である同世代のダンサーたちも加わって、母世代、子世代の共演も実現した。「Wait For Me」ではToyomiの手を握りながら歌う場面もあり、娘の瞳を見つめる表情はまさに母親の慈愛に満ちたもの。 3時間のステージの中で、多面的かつ圧倒的なAwichの魅力を再認識した。ライブの途中には、海外進出を予告する映像もプレビューし、彼女の翼がどこまで羽ばたいていくのか、さらに期待が高まるところ。いずれにせよ、Awichのキャリア、そして日本のヒップホップ・シーンにおいても大きなマイルストーンとなったこの日のアリーナ公演。いつまでもずっと語り継ぎたくなる歴史的な公演であった。 THE UNION TOUR2024 2024年4月27日(土) Zepp Namba(OSAKA) open 17:00 / start 18:00 (問)キョードーインフォメーション 0570-200-888 2024年4月28日(日) 広島CLUB QUATTRO open 17:00 / start 18:00 (問)YUMEBANCHI(広島) 082-249-3571 2024年5月2日(木) Zepp Sapporo open 18:00 / start 19:00 (問)WESS 011-614-9999 2024年5月9日(木) Zepp Fukuoka open 18:00 / start 19:00 (問)キョードー西日本 0570-09-2424 2024年5月11日(土) 仙台PIT open 17:00 / start 18:00 (問)GIPお問い合わせフォーム 2024年5月17日(金) Zepp Nagoya open 18:00 / start 19:00 (問)サンデーフォークプロモーション 052-320-9100 2024年5月23日(木) Zepp Haneda(TOKYO) open 18:00 / start 19:00 (問)H.I.P. 03-3475-9999
Shiho Watanabe