3月の日本株相場が上昇気流に乗りそうな複数の状況証拠
春の到来とともに日本を飛び立つ白鳥のように、日本株相場も上昇気流に乗っていきそうな雰囲気が高まってきた(写真:’90 Bantam/PIXTA)
「相場は相場に聞け」という相場格言がある。相場の先行きが不透明なときは相場の動きに従うのが吉、という趣旨だ。はっきりした根拠があるわけではないが、どうやら日本株はしばらく強い基調を期待していい局面に入ったようである。 3月3日の株価上放れが重要な意味を持つ。この日の日経平均株価は前日比428円高と、1月18日の同652円高に次ぐ今年2番目の上昇幅を伴い、2万8000円目前まで上放れた。 これで2月初旬以来の高値モミ合い(さらにさかのぼれば、1月以来の2万7500円中心のモミ合い)にピリオドを打ったことになる。しかも、2022年8月高値2万9222円から同年11月戻り高値2万8383円を経由して引いた上値抵抗線を、大きな陽線を引いて突破している。 TOPIX(東証株価指数)の基調転換も目覚ましい。3月3日終値2019ポイント(前日比24ポイント高)は、10営業日前の2月16日にわずか1日だけで終わった2000ポイント回復を明確に達成したもの。2022年11月高値2018ポイントを上抜いた。 こちらは、2021年9月高値2100ポイントから2022年11月戻り高値を経由して引いた上値抵抗線を突き抜けている。2021年9月高値といえばコロナショック後の高値だけに、意義深いものがあるだろう。 日経平均だけの変化では指数寄与度の高いハイテク系銘柄の影響を割り引いたりしなければいけないことが多いが、今回は2つの指数が同時に大きな基調変化を示しているので、信頼できる。
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岩本 秀雄