なぜ強い?“12人のソフトボールチーム”全国大会へ 人口6000人の町の「二十四の瞳」
「それでも、次の世代は作れない」
今月8日、全国出場を決めた「三瓶ジュニア」は西予市長を表敬訪問しました。 「全国制覇、最後まで仲間を信じて1点の重みを感じながらプレーします」(菊池斗真キャプテン) 繁木コーチは、「いくつかの小学校で作った合同チームではなく、1つの小学校でつくったチーム。しかも田舎にある小学校が全国大会ということで、町民からは大声援をもらっています」 西予市の管家市長も「ナイターで練習している姿をいつも見かけていました。全国のソフトボールを愛する仲間と交流を深めてほしい」と激励。 市やソフトボール協会から遠征費に活用する激励金をもらったほか、中には自らチームへ寄付を申し出る町民もいるといいます。
しかし、来年5年生の9人が卒業すると、残るメンバーは3人になります。 「正直言って、次の世代を作れていないという危機感はあります」(繁木コーチ) “口コミ”で9人集まったから強くなったチーム。裏を返せば、9人がいなくなってしまうとチームの現状は急変してしまう。子どもの母数が減る町では、毎年この“口コミ”を再現していくのも難しい現実があります。 それでも繁木コーチは、「子どもたちにはこうしたことを考えず試合に臨んでもらいたい。そしてソフトボールで得た経験や学んだチームワークは、一生の宝物になるはず」と話します。 小さなチームの快挙に胸を躍らせる喜びと、これが最後かもしれないという寂しさ。 様々な思いを抱えて、「二十四の瞳」が全国に挑みます。 (報道部 植田竜一)