【熊本地震から8年】防災井戸に注目 断水でも生活用水を供給 福岡で井戸の調査に取り組む自治体も
農業が盛んで井戸を利用している人が多いという地域の特性を生かし、災害時にも使える「井戸」の調査を始めました。 ■古野係長 「ことし1月に発生した能登半地震で生活用水の不足というのが問題になったので調査をしたところです。」 調査はことし2月から始め、すでに41か所、見つかっています。日頃使っていない井戸や、個人宅のものなどをまずは把握し、所有者の了承が得られれば生かしていきたいとしています。
福岡市に本社を置くこちらの会社は、水処理システム装置を手がけます。 ■ゼオライト・河村貴博 取締役 「こちらが井戸水をくみ上げて、飲料化までするシステムです。」 これは、飲み水にならない井戸水から不純物を取り除き浄化する装置です。最終的には飲み水として使うことができます。 ■河村取締役 「災害対策で、水道が来なくなったときにバックアップとして井戸水を供給する目的です。」 県内では病院や商業施設、宿泊施設での導入が多く、福岡を中心に全国で広がっているといいます。熊本地震の際、断水した地域でこの装置が活用され、水の供給が行われました。 いつ起こるか分からない地震を見据え、備えの一つとして「井戸水」の活用がますます広がりそうです。
VTRにも登場した水処理システム装置を手がける会社によりますと、福岡県内にも、災害時に使うことも想定して井戸の設置を依頼する病院や商業施設があるということです。
福岡市での動きについてですが、市に聞いたところ「防災井戸」の数は把握していないということです。 ただ、市は別の方法で災害時の水を確保を進めています。災害時に人が集まりやすい施設の配水管の耐震化を進めています。例えば学校や公園、病院などで、今年度中には256施設の工事が終わる予定です。震度6強程度の地震にも耐えられる想定で、工事が進められています。