高齢者励ます電話30年超 あさぎり町社協 ボランティアが毎朝安否確認
「お元気ですか」「何か変わったことはありましたか」-。あさぎり町社会福祉協議会は、ボランティアが平日の毎朝、町内の独居高齢者らに電話をかける「もしもし達者な電話」を30年以上続けている。毎日の声による交流は、高齢者の健康維持や安否確認に一役買っている。 事業は旧免田町時代の1990年3月、「町内有志で1人暮らしのお年寄りを見守ろう」と始まった。登録しているボランティアは60~80歳代を中心とした20人。平日の朝10時から1時間、当番の1~4人で手分けし、1人暮らしや日中に一人になる70~90歳代の男女16人に電話。体調や一日の予定などを聞いた後、家族や最近の出来事などに話題が広がることも多い。 ボランティアが通話中に気になったことがあれば、町社協職員に報告。不通の場合は、町社協から夕方に連絡したり、高齢者宅まで訪問したりする。 活動が高齢者を救った例もある。町社協によると、ボランティアから「いつもの声と違う」と連絡を受けた保健師が高齢者宅を訪問し、的確な処置で大事に至らなかったことがあった。訪問販売の被害を防いだこともあったという。
4月25日は町生涯学習センターで、内尾勝子さん(80)と、尾方菊水さん(67)の2人が手分けして15人ほどに電話。会話が弾んで、5分ほど通話が続く人もいた。 利用者で1人暮らしの女性(77)は「他に誰ともしゃべらない日もあるので、毎朝楽しみにしている」。同じく1人暮らしの女性(75)も「電話のおかげで、前より明るく話せるようになった」と感謝す る。 内尾さんと尾方さんは「短い時間でも高齢者の安全安心の力になれる。こっちが逆に元気をもらうことも多い。今後も続けたい」とやりがいを感じている。(井田真太郎)