長野朝日放送

今年の土地の価格、「地価」が発表されました。県内の住宅地の平均価格は、前の年からプラス0．4％、商業地はプラスマイナス0％でした。 住宅地は2年連続の上昇、商業地は31年ぶりに下落から横ばいに転じ、コロナ禍が明けて上昇傾向が続いています。 その中でも急上昇した地域が…こちら、野沢温泉村です。 ヘリコプターに乗り込んでいるのは一般のスキーヤーです。スキーブーム真っ盛り、リフトの大行列を緩和するため野沢温泉村のスキー場で、運航されていました。 しかしバブル崩壊後は、温泉街もスキー場も観光客は激減しました。 ここ数年、その姿を変えています。 ■狸tanukinozawa伊藤海香子さん 「土地の価格が上がっているというところもあって、住んでいる者としてはおうちが買いにくかったりとか」 外国人観光客でにぎわう野沢温泉。土地の価格、「地価」の急上昇が起きています。 ■記者 「ここは温泉街の中心地です。昔ながらの伝統ある旅館が立ち並ぶ中にも、こうした英語表記の看板も目立ちます」 国内外の客でにぎわう複合施設。オーストラリアから移住したオーナーを中心に、2018年からカフェと宿泊施設を、おととしの年末にはセレクトショップをオープンさせました。 ■狸tanukinozawa伊藤海香子さん 「野沢温泉にいらっしゃる国内外の方が、色んなニーズがあると思うんですけど、宿泊だったりレストラン、ショップ、色んな所で使って頂けるお店ということでリノベーションしてスタートしました」 上質の雪や温泉街の雰囲気にひかれる外国人が多くいます。 そこで増えているのが… ■野沢温泉村総務課・江尻丈さん 「海外のオーナーの方が宿泊施設なり、商店を買い求めているというケースが目立ってきているのかなという印象はあります」 26日発表された県内の地価。前の年からの上昇率が高かった上位5地点に、去年まではなかった野沢温泉村の2地点が入りました。伸び率はいずれも10％を超えています。 スキー場にヘリが飛んだ昭和の終わりから平成の初めにかけての地価ほどではありませんが、ここ2年、急上昇しています。 ただ、うれしいことばかりではありません。 ■狸tanukinozawa伊藤海香子さん 「野沢がすごくいいなと思って定住したいスタッフとかもたくさんいるんですけど、土地の価格が上がっているというところもあって、住んでいる者としてはおうちが買いにくかったりとか」 地価の急上昇が「住宅難」にもつながっています。 ■狸tanukinozawa伊藤海香子さん 「地元に根付いている人たちもしっかり生活して発展いけるような場所になっていかなきゃいけないのかなとも思います」 そのあおりか、温泉街から離れた農村部に移住する人も現れ始めているそうです。 ■狸tanukinozawa伊藤海香子さん 「地価の高騰は温泉街に特化してすごく目立つんですけど、野沢温泉村全体に転入してくれる方が増えて人口減少に歯止めが止まっていけばいいことなんじゃないかなと」 人気観光地ゆえの悩みはチャンスに変えられるかもしれません。