「あっけし極みるく65」ジャパンフードセレクションでグランプリ受賞
北海道厚岸町の釧路太田農協(福井好三組合長)のブランド牛乳「あっけし極(きわ)みるく65」が、第73回ジャパンフードセレクションのグランプリに選ばれた。全国2万3000人の食の専門家でつくる日本フードアナリスト協会(横井裕之理事長)が主催する国内初の食品、食材の審査・認定制度で、牛乳の受賞は初。同農協では「厚岸産の品質の良さが認められてうれしい」と喜びの声に包まれている。 同セレクションは2014年1月から開催。食品と飲料、酒を対象に「内部的」「外部的」「市場」「マネジメント」「ブランディング」「素材・安全性」に大別する味や商品ストーリー、ネーミング、パッケージなど100項目について消費者目線で総合的に審査し、100点中90点以上をグランプリ、80~89点は金賞など4段階で評価する。フードアナリストは、同協会が認定する食材やレストラン、食文化、食のトレンド情報を総合的に解説できるプロフェッショナルで、セレクションはアンケート調査を経て3段階の審査が行われ、これまでグランプリ377品目を含む618品目を認証。今回は24品がグランプリや金賞を受賞した。 「あっけし極みるく65」は16年に誕生。町内でも乳質が高いえりすぐりの生乳だけを使い、65度で30分低温殺菌するノンホモジナイズ製法で製品化。生乳本来の甘味とこくを保ちつつ、すっきりとした後味で、牛乳が苦手な人も飲みやすいと人気を博している。消費期限が5日間と短いため、同農協など町内のみで流通するが、同町のふるさと納税返礼品になっていてリピーターも多い。 同セレクションでは総合点で94点を獲得し、牛乳製品としては全国で初めての受賞となった。審査員からは「購買意欲をそそられる商品名やイメージ、パッケージの良さ」「低温殺菌とノンホモ製法にこだわり、丁寧な商品づくりで新鮮で自然な味」と高評価を得た。 福井組合長は「餌や乳牛の管理など生産者の努力で、搾りたてに近く乳質の良い製品として評価されてうれしい」と笑顔を見せる。 町内では200㍉㍑と900㍉㍑の2種類を販売。月2回は町内小中学校の給食にも提供される。同農協ではパンやスイーツなどのコラボ商品化にも意欲を見せる。福井組合長は「厚岸の魚介類やウイスキーと肩を並べられたのでは。酪農への関心も今以上に高まってほしい」と期待を寄せている。
釧路新聞