24大会連続V「絶対女王」須崎優衣、海外勢の「包囲網」も歓迎…密度の濃い「金」狙う
ただ、こうした包囲網も須崎は前向きにとらえる。「もっと進化しなければ」と自身を戒めつつも、「課題がたくさんあるということは、伸びしろも多いということ」と話す表情はどこかうれしそうだ。
国際試合でも歓声を集め、女子レスリング界きっての実力者となった最強女王。一分の隙も見せず、圧倒的な強さで勝ち切ることで、東京五輪よりも密度の濃い「金」をつかみとる。(佐野司)
[世界のライバル]馮紫●の成長 要注意
須崎は出場した国際大会で24大会連続優勝、外国選手との対戦で94連勝中と無類の強さを誇る。
ライバルと呼べるような存在は見当たらないが、昨年の世界選手権銅メダルの馮紫●(中国)は要注意だ。アジア選手権決勝では、馮に第1ピリオドで先行され、危険な場面もあった。須崎は「相手にうまさもあった」と認めつつ、「自分自身に雑な部分があって失点してしまった。しっかり修正したい」と話す。(●は「王」の右に「其」)
すさき・ゆい 1999年6月30日生まれ。千葉県出身。2017、18年に世界選手権を連覇。東京五輪は女子50キロ級で1回戦から全4試合を無失点、テクニカルスペリオリティー(テクニカルフォールから改称)勝ちで頂点に立った。開会式の入場行進では旗手を務めた。22、23年の世界選手権も連覇している。