「これが最後のチャンス」森友公文書改ざん…自殺した近畿財務局職員の妻・赤木雅子さん 文書開示求めた控訴審「明らかにならないと闇に葬られる」
森友学園をめぐる決裁文書改ざん問題をめぐり、財務省や近畿財務局が、検察に提出した文書を「不開示」としたのは違法だとして、自殺した近畿財務局元職員の妻・赤木雅子さんが起こしている裁判。 【画像を見る】亡くなった赤木俊夫さんが笑顔で写真にうつる様子
大阪高裁での2審の裁判が2月7日に始まり、原告側は「文書が明らかになることで捜査に支障はない」などと主張しました。 財務省近畿財務局の元職員・赤木俊夫さん(当時54)は、森友学園をめぐる決裁文書の改ざんを強いられ、2018年に自殺しました。妻の雅子さんは、どのような指示で改ざんを強いられたかを知るため、2021年8月、財務省や近畿財務局に対し、検察の捜査で任意で提出した文書を開示するよう求めました。 しかし、財務省側は文書が存在するかどうかも明らかにしない形で「不開示決定」を出したため、雅子さんは、決定を取り消すよう求め、2021年10月に大阪地裁に提訴。
1審「文書の存否の回答は捜査に支障及ぶ恐れがある」請求退ける
大阪地裁は去年9月、「文書の存否を回答すれば、捜査の内容や捜査機関の関心事項を事前に推知し、それを踏まえた罪証隠滅が容易となる可能性があるなど、将来の刑事事件の捜査に支障が及ぶおそれがある」などとして、不開示決定は「適法」だとし、雅子さん側の訴えを全面的に退ける判決を言い渡しました。 その後、雅子さん側が控訴していました。
2審始まる 赤木さん側「開示しても捜査に支障はない」
2月7日に大阪高裁で2審の裁判が始まり、雅子さん側は「1審判決は誤りで、開示することで捜査に支障はない」などと主張しました。 一方で国側は改めて訴えを退けるよう求めました。 また、雅子さん側は、実際に捜査への影響があるかどうかを確認するため、東京地検特捜部などで捜査経験がある元検事で弁護士の郷原信郎さんの証人申請を求めました。 次回の裁判は3月27日に行われ、それまでに雅子さん側が請求した証人を採用するかどうか裁判所が判断する見通しだということです。
裁判後に雅子さんの弁護団が開いた会見で、代理人の弁護士は「俊夫さんがどのように事件に関わっていたかを知ることができる最後のチャンス。何を命じられ、何をしていたのかこの裁判で明らかにならないと闇に葬られる。裁判所はきっちり開示を認める判決を出してほしい」などと話しました。