超小型人工衛星「サガンサット」 宇宙空間に放出成功 佐賀県内の高校生が開発
佐賀県内の高校生のアイデアを生かして開発した超小型人工衛星「SaganSat(サガンサット)0号機」が29日夜、宇宙空間への放出に成功した。武雄市の佐賀県立宇宙科学館では、開発に携わった担当者ら約10人が映像を見て喜んだ。 サガンサット0号機は5日未明、米フロリダ州ケープカナベラルの宇宙基地から打ち上げられた。国際宇宙ステーションに到着後、9月上旬までに日本の実験棟「きぼう」から宇宙空間へ放出されることになっていた。 台風10号の影響で、同館で予定していた放出を視聴するパブリックビューイング(PV)は中止になり、担当者らが宇宙から送られてくる動画を宇宙航空研究開発機構(JAXA)のユーチューブチャンネルを通じて見守った。29日午後6時45分、サガンサット0号機が放出されると、スマートフォンでその様子を撮影したり拍手を送っていた。 開発に携わった延べ約50人の高校生の中から3人が、茨城県つくば市のJAXA筑波宇宙センターで放出を見守った。北陵高3年の石原早貴さんは「自分たちが作った人工衛星が宇宙に放出されるところを見て感動した。これから情報や画像が送られて来ることがとても楽しみ」と喜んだ。 人工衛星は今後、地上から約420キロの円軌道に乗せ、赤外線カメラを使った地球の気候の調査や宇宙空間の放射線の測定などを行う予定。(澤登滋)
澤登滋