【内田恭子さん】次男とショッピングで「ご縁があった」メゾン マルジェラのコートを披露|VERY
知性のある上品なファッションと聡明なキャラクターで人気の内田恭子さん。VERY NaVYで、彼女が愛する「モノ、コト、場所」を通じてその“審美眼と価値観”を知るエッセイ連載。今回はMaison Margielaのコートのお話です。 <Profile> ■内田恭子さん 1976年生まれ。フジテレビのアナウンサーを経て、結婚を機にフリーランスに。現在は幅広いメディアで活躍する一方、上品かつ高感度なファッションも話題に。2児のママ。kikimindfulness主宰、マインドフルネストレーナー。
内田恭子さんのmy LEGEND
【Maison Margiela のコート】 男子ママのさみしいところ。一緒にショッピングを楽しんでくれないところ。美味しいものはまだギリギリ付き合ってくれるからいいとしよう。一緒にお茶をしていても、最後の一口を飲み込むなり「じゃあ行こうか」というところさえ目をつぶれば、いいとしよう。けれどもショッピングはそうもいかない。だいたい、ショッピングの楽しみは買う、買わないは別として色々と見てまわるのが楽しいのだけれども、彼らにはそれが全く理解できないらしい。 先日もレゴで釣った次男とショッピングへ。洋服はもっぱらwebショッピングか衣装の買い取りが多いので、久しぶりのウィンドウショッピングに浮き立つ私。セールのサインにすらテンションが上がりながら、「ここちょっと見てもいいかな」と次男に聞く。そして、彼からの一言が「買うなら見てもいいよ」。 つまり買うならまだしも、買わないなら見なくていいんじゃないの、的な発想らしい。oh,no、キミ彼女デキナイネ、の一言を飲み込み、まあまあと濁しながら無理やり手を引っ張りショップ内へ。そこで待っていてくれたのが、Maison Margielaの濃いネイビーのコートでした。一見プレーンなコートに見えるのだけれども、たっぷりとした生地が、滑らかに体を包み込む感じ。パート的に光沢のある生地が重くなりすぎず、華やかさと軽さを出している。奇抜になりすぎず、でも普通ではない、まさにMaison Margielaテイスト。やっぱり好き。しかも短くしたヘアにもたっぷりとした衿がとてもいいバランスです。 袖もたっぷりしているので、お着物の上に羽織るコートとしても使えそうです。お着物のコートは素敵な一枚に出会うのがなかなか難しい。気に入った生地でオーダーしない限り、どうしても地味になりすぎたり、ありふれた感じになってしまうので、このコートは幅広く使えそう。というわけで、次男よ。こうやってご縁はあるのだよ。最初から決めつけていてはいい出会いはないのだよ。そう母は伝えたい。死ぬほどつまらなそうな顔の次男とは対照的に、ホクホクと顔が緩みっぱなしの私なのでした。 coat_Maison Margiela tops & pants_JACQUEMUS *すべて内田恭子さんの私物です。 モデル・文/内田恭子 撮影/菊地 史〈impress+〉 ヘア・メイク/佐藤健行〈HAPP’S〉 スタイリングアドバイザー/三上津香沙〈DBLESS〉 コーディネート/松井美雪 編集/水澤 薫 VERY NaVY11月号『内田恭子さんのMy LEGEND vol.25 Maison Margielaのコート』より。 *掲載中の情報は誌面掲載時のものです。