【インタビュー】「将来の夢はジャーナリストだった」。アルゼンチン代表アラン・ブランディが送る、情熱に満ちた“二つの人生”|フットサル日本代表
東京と北海道で開催されているフットサル日本代表の国際親善試合。 マティアス・ルクイス監督率いる元世界王者・アルゼンチン代表もベストに近いメンバーでこの2試合に臨んでいる。 【映像】名門バルセロナで日本人選手がピッチに立った瞬間! FIFAフットサルワールドカップ3大会出場を誇るキャプテンのパブロ・タボルダ、世界No.1ゴレイロの呼び声も高いニコラス・サルミエントなど多くのスター選手が来日しているが、そのなかで一風変わったキャリアを持つ選手がいるのをご存知だろうか。 ジャーナリストを目指していたらプロフットサル選手になり、やがて世界最高峰のピヴォへと成長。ワールドカップ制覇まで成し遂げてしまった、とある男の情熱の物語を紹介したい。 取材・文/福田悠
インテリジェンスあふれるプレーでチームをけん引
前線でアルゼンチン代表の攻撃をけん引するアラン・ブランディは、スペイン1部で現在5位につけるハエン・パライソ・インテリオール所属。2015年からアルゼンチン代表でプレーしている、36歳のベテランピヴォだ。 182cm80kgの恵まれた体格で、しかも貴重な左利き。前線での反転シュートはもちろん、裏のスペースに抜け出してのボレー、セカンドボールのこぼれ所を予測して押し込む泥臭いシュートなど、ゴールパターンは実に多彩だ。 14日に大田区総合体育館で行われた日本代表との第1戦ではゴールこそなかったものの、随所に“らしい”プレーを披露。前線で縦パスを収めて時間を作るだけでなく、日本の前プレを受けた際には中盤まで下りてクワトロのボール回しに参加。ライン間で前を向き、アルゼンチンのゲームラインを引き上げる役割を担った。 「本来であればもっと相手ゴールに近い位置でパスを受けたかったのですが、日本のプレスも良かったので、今日はなかなかそれがうまくいきませんでした。だから前を向けないときは無理せず一度後ろに戻して、クワトロでゲームを作りながらボールを回して、相手のディフェンスを疲れさせようとしていました。隙を狙いつつ、行けるタイミングでシュートを打ちにいく、というイメージですね」 ダイナミックなゴラッソだけでなく、インテリジェンスあふれるプレーでチームを助けるブランディ。そんな彼は、実は歯科医師の祖父を持つ秀才家系の出身。そのバックボーンもあってなのか、トップアスリートとしては少々珍しい経歴を持つ選手なのだ。