東京国際映画祭のコンペ審査員に橋本愛、キアラ・マストロヤンニら4人が決定
37回東京国際映画祭(10月28日~11月6日)のコンペティション部門の審査員に俳優の橋本愛、ハンガリーの映画監督・脚本家エニェディ・イルディコー、フランスの俳優キアラ・マストロヤンニ、香港の映画監督ジョニー・トーの4人が決まった。 東京国際映画祭のコンペ審査員に橋本愛、キアラ・マストロヤンニら4人が決定 橋本は2021、22年の同映画祭でアンバサダーを務めているが、「まさか自分が、東京国際映画祭で審査員をやる日がくるなんて思ってもみなかったことでした」と驚きを隠さない。それでも、審査委員長のトニー・レオンらと議論を重ねることに「誰かの人生を左右する役目を担うことはとても恐ろしい。けれど、一つ一つの作品を真摯に見つめ、誠実に向き合い、じっくりと映画に浸ることができたらと思っています。世界の名だたる俳優、監督と役目を共にすることはとても緊張しますが、一生に一度しかない貴重な経験を心に刻みたいと思います」と抱負を述べた。 イルディコー監督は、17年『心と体と』でベルリン国際映画祭の金熊賞を受賞し、ハンガリー大統領から功労勲章を受けるなど同国を代表する女性監督。「審査員の仕事は異例なほど深く、全てをさらけ出す出会いの連続です。他の審査員との出会いは、私たちが見たものについて熱く語り合うことであり、彼らの作品を通して映画製作者の内なる意欲、想像力、そして長年にわたる努力が銀幕の中で私たちの眼前に突き付けられます。このようなきっと忘れることがないであろう機会に深く感謝しています」と喜びを語った。 マストロヤンニは名優マルチェロ・マストロヤンニ、カトリーヌ・ドヌーヴを両親に持ち、19年には『今宵、212号室で』でカンヌ映画祭のある視点部門の最優秀演技賞を受賞。「この貴重な経験を、刺激的なアーティストの審査員の皆さんと共有できることをとてもうれしく思います。東京で作品を見ることを楽しみにしています。東京という素晴らしい街で、このチームとともに10日間の映画体験ができることを本当に幸運に感じています」と来日を心待ちにしている。 トー監督は2000年代に、『PTU』(03)、『ブレイキング・ニュース』(04)などで香港ノワールの新たな潮流をつくり、これまで54本の長編映画を監督。「日本映画は、日本文化の本質を見事にとらえていて、映画人としてその芸術性に深い感謝の念を抱いています。日本滞在中は審査員としての責任を果たし、優れた作品に没頭し、日本文化の豊かさに触れ、実りある経験をしたいと思っています」と日本映画へのリスペクトを込めたコメントを寄せた。 取材/記事:The Hollywood Reporter 特派員 鈴木元