⚾静岡・常葉大菊川が決勝進出 秋季高校野球東海大会、2年ぶり選抜へ前進
来春の選抜大会につながる第77回秋季高校野球東海大会は26日、草薙球場で準決勝を行った。常葉大菊川(静岡1位)は町田稔樹の同点打、佐藤大加良の勝ち越し適時打などで至学館(愛知1位)に5―4で逆転勝ちし、2年ぶりの決勝進出を果たした。東海地区の選抜出場枠は3校。常葉大菊川は2023年以来の出場へ大きく前進した。決勝は27日、同球場で大垣日大(岐阜1位)と対戦する。 【評】常葉大菊川が劣勢をはね返し、至学館に逆転勝ちした。 常葉大菊川は初回に3連打とスクイズなどで3点を先取され、二回にも失策で追加点を許した。打線は四回に3安打で1得点。六回にも連打でつくった好機に今泉が2点適時打、さらに町田が適時打を放ち追い付いた。七回には佐藤大加の適時二塁打が飛び出し勝ち越しに成功した。先発大村は三回以降は粘投。九回1死満塁のピンチも無失点で切り抜けた。 ■常葉大菊川 主力不在を全員でカバー、劣勢はね返し逆転 主力不在を全員で乗り越え、選抜への可能性をぐっと引き寄せた。常葉大菊川は4点を追う展開から打線が奮起。六回に適時打2本で追い付き逆転劇を呼び込んだ。九回の大ピンチは無失点でサヨナラ負けの危機を脱出。苦しみながらつかんだ勝利だった。 3点を追う六回、佐藤大加の安打と児玉の二塁打で1死二、三塁とした。続く今泉は初戦無安打と不振に悩んでいたが、迷いを払拭して強振。「前の打席の好機では見逃し三振。今度は自分が決める」と左前へ運び貴重な2点をもたらした。 攻撃の手を緩めず2死から今泉が二盗。打席の町田は「押せ押せだったので流れに乗ろうと。つなぐことだけ考えた」と同点打を放ち期待に応えた。 1点リードの九回裏は1死満塁と攻め込まれた。だが捕手の町田はあくまでゼロに抑えることを意識し外角を中心に配球。「簡単にアウトが取れず苦しかったが粘ってくれた」と失点を防いだ左腕大村に感謝した。 初戦4安打の主将橘木が体調不良、上位の小川がけがでともに欠場。影響は大きかったが石岡監督は「全員でカバーすれば穴は埋められると話していた。選手がよくやった」。非常事態の中で得た価値ある勝利。目標の神宮大会が見えてきた。 ■主将代理の佐藤、決勝打の大仕事 橘木主将の欠場で急きょ、主将代理を務めた常葉大菊川の佐藤大加が決勝点をもたらした。同点の七回に左越えの勝ち越し二塁打で勝利に貢献。「逆転勝ちできてチームとしても自信になる」と大仕事を誇った。 同点直後の六回の守備を3人で切って流れをつかみ、迎えた七回2死二塁。追い込まれてから内角低めの変化球に反応した。腕をうまくたたんではじき返した打球は左翼線へ。技ありの一打で走者をかえした。 この日放った安打3本は全てが得点に絡む活躍。「橘木の分までと、全員が必死だった。勝てて良かった」と胸を張った。 ▶高校野球しずおか 特設ページ
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