「僕、殺人犯かクズの役が多いんです」39歳”道兼”俳優、SNSの声に対する素直な思い|NHK大河『光る君へ』
SNSは得意じゃなかったけれど、やってみてよかった
放送を見ながらリアルタイムでX(旧Twitter)に投稿したり、放送後にXのスペースで感想を語ったりと、SNSをうまく活用している玉置だが、実は「本当はSNSってそんなに得意じゃないんです」と苦笑いする。 「嫌な面も見えちゃうし」と明かしつつ、それでも「利用してくださっている方たちとのリレーション次第では、ポジティブに捉えられるものなのかなと。やってみてよかったというか、いい試みをしたのかなと思えて嬉しかったです」と思いを口に。そして続けた。 「このドラマの表現していることに意図はあると思います。演出家の方、作家の方、俳優側と。ただ、受け取ってくださる視聴者の方の数だけ、正解というか、導き出された何かが存在するんだなと。分かっていたことでしたが、思っていた何倍も何十倍も何百倍もの反響、反応があるし、導き出されたものがある。 こんなにもみなさん、受け取ってくださっていて、なおかつそこに自分の意思や考えをきちんと乗っけてこちらに伝えてくれたりする。そこに頼り切ってはだめですけど、本当に今の時代だからやれる、コミュニケーションツールだなと学べたのは、目からうろこでした」
普段仲の良い吉高由里子とだから撮れた、まひろとのあのシーン
さて、これまで成長したまひろを演じる吉高と直接対峙したのは第8回「招かれざる者」のみ。まひろにとって道兼は、母を殺した憎き仇だが、道兼はまひろがあのときの幼き少女だとは知らない。道兼はまひろの父・藤原為時(岸谷五朗)を胸襟を開ける相手と思い、その家を訪れる。琵琶を手にまひろが道兼の前へと姿を見せたシーンは、言いようのない緊張感が続いた。 「僕はプライベートでの関係性を存分にお芝居に乗っけたほうがいいと思うタイプなんです。由里ちゃんとは、すごく仲がいいと思っていて、仲がいいからこそ、あの画が撮れたところがあるんじゃないかなと思っています。 まひろと道兼が一緒の画に収まっているシーンって、本当にない。そこでふたりの関係性というか、説明を一気に詰め込もうとすると情報過多になってしまう。でも出来る限りの情報は伝える必要がある。そのためにも、物語以上の、見てわかる、画から感じ取れるものがないといけなかった。その辺は意識しながら演じました。 あのシーンの道兼って、“お前、この人の母親を殺してるのに、何してるんだよ”という愚かさがすごくある。そしてまひろが葛藤しているシーンですよね。普段の吉高由里子って天真爛漫な、素敵な女性なんです。もちろんまひろも素敵な女性ですけど。あのお芝居ができるのはすごいなと、やっぱり思いました。いや、本当に“すげえな”って思いました」