ジェームズ・キャメロン、原爆を題材とした映画を制作へ 広島と長崎で二重被爆した男性の実話に基づく物語

ジェームズ・キャメロン、原爆を題材とした映画を制作へ 広島と長崎で二重被爆した男性の実話に基づく物語

ジェームズ・キャメロンは、「アバター」シリーズの制作からどこかのタイミングで離れ、チャールズ・ペレグリーノによる原爆を題材とした著書『Last Train from Hiroshima』と『Ghosts of Hiroshima』を基にした映画を制作するつもりのようだ。 このニュースの詳細を伝えたDeadlineによると、キャメロンはこれから出版予定の『Ghosts of Hiroshima』の権利を買い取り、同書と、同じくペレグリーノによる2010年の著書『Last Train from Hiroshima』を原作にした映画の制作を約束したという。「アバター」シリーズの制作が許せば、キャメロンはこのプロジェクトに取り組むことができるそうだ。 『アバター』が最初に公開されたのは2009年で、続編の『アバター：ウェイ・オブ・ウォーター』が公開されたのは、その13年後となる2022年12月だった。『Avatar: Fire and Ash（原題）』と題されたシリーズ第3作は2025年12月19日に米国公開予定で、キャメロンは第4作および第5作も自ら監督するつもりだと語っていた。つまり、今後何年にもわたって「アバター」の世界を前進させる計画であるため、『Last Train from Hiroshima』の制作がいつ始まるのかはわからない。 とはいえ、キャメロンが「アバター」以外の作品に着手するとのニュースは、彼の長年のファンにとって朗報ではないだろうか。彼が「アバター」以外の映画で監督を務めたのは、1997年公開のオスカー受賞作『タイタニック』が最後だ。キャメロンはすでに『Last Train from Hiroshima』に大きな期待を寄せており、「妥協なき劇場用映画」だと称している。 原作のひとつとなる『Ghosts of Hiroshima』は、原爆投下から80年を迎える2025年8月に出版される予定。キャメロンの映画は、広島と長崎での二重被爆を経験したことで知られる、山口彊の実話に焦点を当てた物語になるとされている。 「これは、私が映画で取り上げたいと思っていたテーマで、それをどう実現するか何年も取り組んできました」とキャメロンは語る。「広島と長崎の両方を生き残った山口彊さんとは、亡くなる数日前に会いました。彼は病院にいました。彼は個人的な物語のバトンを私たちに渡してくださったので、やらなければなりません。これに背を向けることはできないのです」 キャメロンが『Last Train from Hiroshima』の映画化に挑むのはこれが初めてではない。彼は2010年にも同作の映画化を試みたが、ペレグリーノと彼の著書が物議を醸し、そのプロジェクトは頓挫している。ペレグリーノは当時、ノンフィクションである同作に登場する人物の一部が実在したのかどうかについて追及され、本が出版停止に。2015年には改訂版が発売されたものの、映画化は実現しなかった。 なお、ペレグリーノは『タイタニック』と「アバター」に科学コンサルタントとして参加し、キャメロンと仕事をしている。『Last Train from Hiroshima』の映画に関して、プロットやキャストなどの詳細はまだ明かされていない。一方の「アバター」について、キャメロンは第6作と第7作の計画もすでにあるとしたうえで、年齢を理由に、自身が監督することはないだろうと発言していた。