美しい50代・富岡佳子さん「理想の年の重ね方」特別インタビュー
シンプルになればなるほど輪郭が浮かび上がってくる
ドレス¥394,900・靴¥242,000/ザ・ロウ・ジャパン(ザ・ロウ) 片耳ピアス(PG×ダイヤ)¥452,100/レポシ日本橋三越本店(レポシ) ソックス/スタイリスト私物
真のラグジュアリーに触れる旅が新たな楽しみ
時間が自由になり、昨年は久しぶりに旅に、それも今まであまり行かなかった島旅に、幾度となく出かけました。初めて父とのふたり旅も経験したんです。昨年母を亡くしたこともあって、父がアクティブに動けるうちに一緒にと、夫にも協力してもらって計画しました。ほかにも、父や娘と一緒の旅もしましたし、友人たちとも。島旅の魅力は、船から見る景色のすばらしさや、港に着岸するときのワクワク感に始まり、手つかずの豊かな自然に触れられることです。印象的だったのは小豆島と隠岐島の海士町。大きくパラダイムシフトしている今の時代だからこそ、よりアナログでナチュラルなものを大切にしたいなと思います。景色もですが、日の出や日の入りを見たり。それこそが真のラグジュアリーだと思うので。これからも自然や遺跡に触れる旅にフットワーク軽く、出かけていきたいと思っています。
人の心の機微をくみ取れるように
もうひとつの私自身の変化は、相手の気持ちを、より深くくみ取れるようになってきたのかなということ。私は今、この瞬間とても楽しいけれど、一緒にいる相手はどうだろう?といつも考えるようになりました。昔よりも、人の気持ちをより深く見られるように。若いころ見た映画をもう一度見ると、当時とは違う気づきがあったり、感じ方が変わったり、登場人物の深い気持ちを理解できることがありますよね。経験を重ねたことで見えてくるもの、感じるものが深くなってきたのかなと思います。人付き合いでも、相手の感情を知ろう、知りたいとより強く思うようになりました。他人の感情が、時に人生観を教示してくれることもあります。自分の知らない価値観や哲学、考え方を知るためにも、本や新聞を読むことは大切だなと改めて思う日々。ネットだとどうしても情報が偏ってしまいますから。本や新聞を読み、心に響く、気になる言葉や記事があったら、ノートにメモしたりクリッピングする。以前から続けているこの作業は、これからもずっと継続していきたいです。日ごろから「何でだろう?」と考えていたことの点と点が、パッとつながる瞬間がうれしいし、気づけば言葉の引き出しの訓練にもなっています。