還暦時点で貯蓄額が「100万円」未満に!?毎月最低でもいくらお金があれば安心でしょうか?
まもなく還暦を迎えるにあたり、これからの生活費をまかなっていけるのかと、不安に思われる方は多くいらっしゃるでしょう。定年を迎えると、基本的に年収が下がる傾向があります。 そこで、本記事では「還暦を迎える人たちの平均貯蓄額はいくらなのか」「毎月いくらくらいあれば安心して生活できるのか」について解説します。
還暦を迎えた時点で最も多い貯蓄額は100万円未満!?
はじめに、還暦を迎えた人の平均貯蓄額を見ていきましょう。プルデンシャル ジブラルタ ファイナンシャル生命保険株式会社(以下、PGF生命)の「2023年の還暦人(かんれきびと)に関する調査」によると、還暦を迎えた人の平均貯蓄額は3454万円となっています。貯蓄金額の割合を集計したものを、表1にまとめています。 表1
※プルデンシャル ジブラルタ ファイナンシャル生命保険株式会社「2023年の還暦人(かんれきびと)に関する調査」トピックス1より筆者作成 貯蓄額が「100万円未満」の割合が25.2%と最も高く、「100~300万円未満」の割合と合わせると、貯蓄額300万円未満の人は、全体の4割近くを占めています。一方、貯蓄額が2000万円以上の割合は33.0%です。平均貯蓄額が3454万円である点を考えると、貯蓄格差が大きいことがわかるでしょう。
毎月どれくらいあれば安心なのか?
還暦を迎えて、これから生活をしていくにあたり、生活費として最低限必要な金額はいくらくらいなのでしょうか。 PDF生命の同調査では、今年還暦の人がゆとりのある生活費として必要だと思う金額は、平均27万8929円となりました。1年前の調査結果に比べて増加していますが、近年の物価高騰が影響していることが想定されます。 また、コロナ禍の影響により先行きが読めない事象が起こっているため、いざというときに備えて、余裕のある金額を確保しておきたいという心境もあるのでしょう。
高齢者の老後の生活費は平均どれくらい?
実際には、高齢者の生活費はどれくらいかかっているのかが、気になる人もいるでしょう。総務省統計局「家計調査年報(家計収支編)2022年(令和4年)結果の概要」では、65歳以上の夫婦二人無職世帯の平均支出額は、1ヶ月あたり26万8508円、65歳以上の単身無職世帯の平均支出額は、1ヶ月あたり15万5495円でした。