巨人12連敗にも里崎氏「巨人の状態はロッテよりも悪くはない」
巨人が創立83年目にして屈辱の歴史を刻んだ。巨人は、7日にメットライフドームで行われた交流戦の西武戦で0-3の完封負けを喫して、球団ワースト記録となる12連敗。先発の吉川光夫がメヒアに8号2ランを打たれ、2番手の西村健太郎が中村剛也に追加点の13号ソロを許すと、3点を返す反発力は残っていなかった。試合後、高橋監督は「現実として全員が受け止めていかねばならない。挽回のチャンスはある」と言葉を絞りだした。果たしてトンネルの出口は見つかるのか。 この試合を解説した元千葉ロッテの里崎智也氏は、「投打の噛み合わせが悪い典型的な流れ。点を取るとピッチャーが崩れ、この日の吉川のようにゲームを作ると打線に1本が出ない。巨人というチームの置かれた立場からすると12連敗というプレッシャーも重たいのだろう」という。 では、連敗脱出の処方箋があるのか?と聞くと「特効薬はない」というのが里崎氏の考えだ。 「明日の先発の池田が、ビシっと抑えるかもしれないし、打線が爆発するかもしれない。いずれにしろ連敗ストップのゲームは、投打のどちらかが最高のパフォーマンスを発揮することだと思う。ただ、チームの連敗記録が18のロッテと違い、巨人はここから負ける度にチームの連敗記録の更新となるので、プレッシャーは続くし、ここで開き直ることも難しいのかもしれない。 ただ12連敗の中身を見てみると、ひとつかみ合わせが上手くいけば、好転する可能性があると思う。ロッテに比べると手の施しようがないというほど最悪の状態ではない。ロッテのチーム打率は.206だが、巨人は.237。ロッテは、新外国人2人が打てずにチーム打率は一時1割台だった。防御率もロッテは4.56だが、巨人は3.60。長野の不振で外野のメンバーが揃わないことと、中継ぎがコマ不足になっている部分は、不安要素ではある。カミネロがいなくなって中継ぎ、抑えで信頼できるピッチャーが、マシソン一人だけでは心許ない。ペナントレースを見渡せば、やはり重要なのは中継ぎの整備なのだ。横浜DeNAからFA移籍した山口俊が、来週から加われば、その分、一人を先発から中継ぎに回せるので好転するきっかけになるかもしれないが」 完封負けは、今季6度目。得点力不足は如実で、12連敗中、先取点を奪われているのが9試合。やはり追う展開になると苦しい。 里崎氏は、「僕が監督なら思い切って今の3、4、5番を1、2、3番に並べて4番に陽を置いてみる。楽天がやっている超攻撃的野球だ。おそらく目先の1勝にこだわっているのか、など様々な批判が予想されるので、巨人がそういう布陣を組むのは難しいだろうが、1、2番の出塁率の低さが問題点なのだから、打てるバッターから順番に並べるという方法論もありなのではないか」というアイデアを提言する。 高橋監督も1番坂本は試したが、2番マギー、3番阿部、4番陽という思い切った打順の並べ変えだ。1番に入った陽がこの日2安打して、いずれも先頭打者として出塁するなど、新しい流れを作りかけているが、1、2番で機動力を使えないのならば、里崎氏の提言するメジャースタイルの「打順シャッフル」も連敗脱出のためのひとつのカンフル剤になるのかもしれない。 今日、8日の対西武3連戦の最終戦の先発マッチアップは、巨人が1日の楽天戦で5回無失点の好投をしたルーキーの池田で、西武が十亀。連敗ストップの風は吹くのだろうか。