『クソ会社』『謝罪文を書け』宅配業者への“カスハラ”横行 クレーマーに泣き寝入りの運輸業界に変化
この事件で大分地裁は、「クレームの域を明らかに超えた非難に値する行為」として、被告に懲役10か月、執行猶予3年の有罪判決を言い渡しました。 ■『バカ』『クソ会社』横行する暴言 大手ECサイトの宅配を請け負う大分市の「AEトランスポート」でもカスハラと見られるケースがたびたび起きているといいます。 AEトランスポート 野田慎太郎社長: 「時間指定の配達で『時間ぴったりに持ってこい』とか、『荷物をきれいに並べろ』など業務妨害的な要素が強い」 会社によりますと、荷物の受け取りを巡って真夏の炎天下の中、長時間にわたって説教をされたケースや、謝罪文・改善報告書を書かされたこともあったということです。 AEトランスポート 渡辺悠平取締役: 「これまで多かったのは『責任者を出せ』『謝罪文を書け』というケースですね。暴言は結構多いですよ。『バカ』『クソ会社』とか」 「改善策を伝えるのですが、冷静に話ができないし、相手も納得できずに怒りも収まらない。会社としては謝罪するしかないので、解決が長引くこともあります」 ■泣き寝入りする風潮の運送業界 この会社では350人いるドライバーで、顧客とのトラブル情報を共有する対策に乗り出しています。アプリを使って各ドライバーがカスハラのケースを報告。原因を分析し、共有することで被害を未然に防げるケースもあるといいます。 AEトランスポート・渡辺悠平取締役: 「ドライバーは事前にトラブルをチェックして配達に行く。ここのお客さんは前回こういうことがあったので注意しようとか。お客様からしても前回こういうことがあったけど注意してくれている部分も見てもらえる」 AEトランスポート 野田慎太郎社長: 「配達をした先が全部お客さんになるわけなので、選べないというところでいうと被害を受けやすいし、インターネットにもネガティブな書き込みもされます」 「ただ、事を大きくしたくないから、クレーマーに対して泣き寝入りする風潮をつくってきたのは運送業界なんです。弊社も例外ではありません。やはり酷いクレームであれば、社としてきちんと姿勢を見せるべきです。大分で起きた土下座事件の判決は一歩前進したなと思います」