越後製菓の“ふわっととけるような”食感の米菓「ふんわり名人」が世界で脚光 北米では大ブレイクの可能性
越後製菓が2005年から発売している米菓「ふんわり名人」が世界で脚光を浴びている。 【写真】越後製菓の米菓ブランド「ふんわり名人 きなこ餅」の中身 8月20日、商品説明会に臨んだ星野一郎会長は「『ふんわり名人』で海外の市場が動き始めた」と語る。 「ふんわり名人」は、かねてから韓国・米国・台湾などで販売されているが、ここにきて北米の大手小売店への導入が決定したことで大ブレイクの可能性を秘めている。 星野会長は北米でのポテンシャルを漁に例え「国内での商売が通常の釣りだとしたら、北米はクジラだらけ。北米は日本よりも所得が高く、その上、北米の方は消費志向。日本の消費人口の約10倍はあるような感じがする」と期待を寄せる。
新規導入にあたっては、原材料や賞味期限に関する厳しい法規制を全てクリアした。 「米国の中で厳しいのがカリフォルニア州だが、全部乗り越えて、3月からドジャー・スタジアムの売店で「『ふんわり名人 きなこ餅』が7ドル99セントで売られている。今後は英語表記の『きなこ餅』と『チーズもち』に差し換えて販売していく」と述べる。 カナダではケベック州でフランス語表記の「ふんわり名人」の販売を予定。「カナダはワインとチーズの国のため『チーズもち』が販売される」という。 米国の大手ECモール企業にも「ふんわり名人」が登録された。 韓国では新たにコンビニ業態への導入が決定。 タイとシンガポールでも販売されている。 「東南アジアでは『チーズもち』、韓国では『きなこ餅』が人気。どちらも現地では、こなれた価格ではなく、所得の高い方に買われているようだ」と説明する。 10月には欧州最大級の総合食品見本市「SIAL Paris 2024」にブースを出展。既にドイツの小売業から引き合いがあるという。 「“絶対に迷惑をかけない”“頼んだものは必ず引き取る”などと言って下さる。やはり『ふんわり名人』は欧米でもアジアでも“人を感動させて絶対に売る”という意識を持っている商品」と胸を張る。 同社は米菓部門のアイテムを集約して生産効率を向上。「工場には余裕があり設備投資せずにやれる状況にある。需要のほうが重要と考えており、生産は何とか対応できると考えている」。 海外市場の開拓や現地での対応にあたっては海外常駐のパートナーを得る。 「ふんわり名人」の前期(3月期)売上高は、国内需要・海外需要ともに好調に推移し前年比7%増となり過去最高を記録した。 「ふんわり名人」は、“ばりばり”“ぼりぼり”といった硬く歯ごたえのある米菓が主流となる中、製造方法を見直すなどして試作を繰り返し10年の歳月を経て開発されたものとなる。 餅製造も担う同社のノウハウをいかし、つきたての餅のような風味や、“ふわっととけるような”食感を打ち出している。