柴山潟湖畔遊歩道の温泉街区間で開通した最終区間を通り初めする関係者＝加賀市片山津町

　加賀市の柴山潟湖畔遊歩道開通式は4日、片山津温泉総湯駐車場で行われ、関係者約50人が度重なる浸水被害に伴う2007年の事業着手から整備を進めてきた温泉街区間（延長2・2キロ）のうち、最終区間960メートルの暫定工事完成を祝った。これで柴山潟全周（延長7・9キロ）の散策が可能となり、自然景観を生かした温泉街のにぎわいと住民の親水空間を創出する長年の悲願がかなった。 　温泉街区間は12年に湯の元公園-総湯間470メートル、21年に湖畔公園-湯の元公園間730メートルが完成。最終区間の総湯-旅館「大江戸温泉ながやま」間960メートルは今年3月の北陸新幹線加賀温泉駅開業までに開通する予定だったが、元日の能登半島地震による舗装沈下などで完成がずれ込んだ。 　開通式では、宮元陸市長が「片山津の方々にとって悲願だった遊歩道の素晴らし景観を生かし、住民の憩い、観光誘客につなげて地域を盛り上げてほしい」と式辞を述べ、室谷弘幸県議会副議長、髙辻伸行県議、今津和喜夫市議会議長、枷場達雄柴山潟浸水対策整備期成同盟会長が祝辞を贈った。 　宮元市長らによる開通のテープカット、片山津中吹奏楽部の演奏が行われ、出席者が今回の開通区間を通り初めし、既に開通している温泉街区間を散策した。 　幅2メートルで目隠しフェンスなどを備えた温泉街区間の総事業費は4億8600万円。最終区間の供用を開始した6月23日に開通式を行う予定だったが、荒天のため延期されていた。市によると、柴山潟周遊ルートは現在も能登半島地震による復旧工事のため通行止めの区間があり、担当者は「外周の市道などを活用し、散策を楽しんでほしい」と話した。