「モーツァルトのソナタ全曲演奏は、自分の限界への挑戦」と語る高橋さん

　仙台市のピアニスト高橋麻子さんが企画する「音楽の旅」の第２０回記念リサイタルが２１日、市宮城野区文化センター・パトナホールで開かれる。高橋さんは「共演者を通じて、新たな音に出合うことができた。今後も自分にしか出せない音を追求したい」と語った。 　宮城学院女子大を卒業後、ドイツとオーストリアに計８年留学。帰国後の２００５年、シリーズ演奏会「音楽の旅」を始めた。 　留学時代に交流のあった演奏家や仙台フィルハーモニー管弦楽団のメンバーとの共演で、ウィーン、プラハなど欧州の都市や国にちなんだ作品を毎回取り上げた。２２年からは特定の作曲家に焦点を当てたプログラムを組み、モーツァルトのピアノソナタ全曲演奏にも挑んでいる。 　「努力とアイデアで駆け抜けた２０年だった」。０３年の帰国以降を振り返る高橋さん。東日本大震災後は「音楽の旅」の予定を変更し、大学の同窓生とチャリティーコンサートを行った。コロナ禍で活動が制限された時期には、仙台市内のホテルの駐車場で「ドライブインコンサート」を行うなど、困難を乗り越えてきた。「演奏活動がままならない時期は、何かできることがないかを常に考えた」という。 　今回のリサイタルには、仙台を拠点に２０年間活動を続けてこられたことへの感謝の気持ちを込める。曲目は、Ｊ・Ｓ・バッハ「パルティータ第６番」、ショパン「バラード第４番」「エチュード『革命』」、リスト「ラ・カンパネラ」、シューマン「交響的練習曲」。新たに挑戦する曲と、ずっと好きで、これからも大切にしたい作品を織り交ぜた。 　「職業ピアニストとして、常に今の自分を超えることを目標にしている。今挑戦しないと、いつするのかと自分に問いながら、ピアノと向き合っている」 　午後２時開演。全席自由３０００円。連絡先は高橋さん０９０（２９７２）５２２７。 （佐藤素子）