広島県1人1泊200円の「宿泊税」導入へ 年30億円を観光・宿泊振興に 事業者によっては徴収、納付負担増を懸念
ゲストハウスなど小規模事業者は徴収、納付の負担増を懸念
一方、宿泊事業者には、宿泊客から税の徴収と県への納付の負担が増えることになる。中でも、小規模で低料金を売りにしている事業者ほど負担感が増すと、心配する声が上がっている。 広島市中区のゲストハウス「マングタック」では、ドミトリー形式で各フロアには2段ベッドが並ぶ。トイレやシャワーは共用で、価格は1人1泊3500円~4500円。客の8割は外国人で、事前にオンラインで決済をする人がほとんどだという。 マングタック・長谷川直哉さん: 宿泊税は現地で現金で追加で徴収する形になるので、お客様自身も2度支払いの手間がかかる。200円さらに上乗せとなると、お客様も高くなったと感じると思うので、その点も不安 一方、広島市南区の「ホテル石本」では、和室と洋室合わせて25部屋で最大50人ほどの収容が可能。客層は日本人がほとんどでビジネス客が半数、合宿や部活など学生の団体客が35%を占め、観光客の宿泊は15%ほどだという。 ホテル石本・石本修二マネージャー: 徴収自体は賛成。ただやはり若年層、特に弊館は学生がターゲットで、200円という金額をどのように解釈されるのかを懸念している 事業者の規模、そしてターゲット層をどこにしているかで、負担感が変わってくるようだ。 コメンテーター 叡啓大学・早田吉伸教授: 他府県では宿泊料金に応じて負担額を変えている自治体もある。一方で、料金に応じて税率を変えるとその分、事務作業は増える。そのあたりのバランスを見ていくことが必要 ほかの自治体の例をみると、京都市は宿泊料2万円未満は200円、2万円~5万円未満は500円、5万円以上は1000円と差をつけている。北海道で外国人スキーヤーに人気のリゾート、ニセコがある倶知安町は一律宿泊料の2%。県と市が二重課税する福岡市・北九州市では宿泊料2万円未満なら県税50円、市税150円の合計200円などとなっている。 広島県は5月に、県内すべての自治体の担当者向け説明会を開き、意見を交わした。市や町からは期待する声が上がる一方で、 ・修学旅行だけでなく、学校のクラブ活動やスポーツ行事の宿泊も検討対象としてほしい ・税の使い道や導入スケジュールを具体的に示してほしい といった声も出たということだ。広島県はこうした意見もふまえて、素案をより具体化させる方針。 (テレビ新広島)
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