支持者らと万歳三唱する山本大地氏（中央）＝28日未明、和歌山市（山口淳也撮影）

大勢判明が28日未明にずれ込んだ和歌山1区は、自民党新人で元和歌山市議の山本大地氏（33）が僅差で初当選を果たした。当選確実の一報が入ると、和歌山市の選挙事務所に集まった支持者らは歓喜に沸いた。しばらくして、満面に笑みをたたえた山本氏が姿を見せ「無名の状態からの選挙だったが、みなさんの支えでなんとか勝つことができた。国民に寄り添った国会議員になる」と興奮した様子で語った。 県都の和歌山市をエリアとした旧1区で自民は補選を含めて6連敗していた。区割り変更後ながらも県都を含む1区で勝ったことについて山本氏は「悲願だった議席を奪還した」と述べた。 公募を経て、出馬が決まったのは8月下旬。準備期間は十分ではなかったが、「若さと情熱」をアピールし、各種団体などのバックアップを受けて選挙区を効率よく回り、知名度不足を徐々に克服した。 山本氏は28日朝、JR和歌山駅前に立ち、通勤客らに当選を報告した。 日本維新の会前職の林佑美氏（43）は、前兵庫県知事の告発問題への対応を巡る党への逆風に加えて県総支部内での対立もあり、態勢に不安を抱えたまま選挙戦に突入。組織戦で劣勢に立たされたこともあり、小選挙区ではわずかに及ばなかったが、比例代表近畿ブロックで復活当選した。 28日未明、林氏は支援者らが集まった和歌山市のホテルの会場に登場。当選祝いの花束を受け取ったが、涙を浮かべ、小選挙区で敗れた悔しさをにじませた。 「多大な支援をいただいたのに申し訳ない」と切り出した林氏。「相手の大きな組織や野党の乱立など常にプレッシャーがあった」と振り返りつつも、「引き続き和歌山のために一生懸命頑張っていきたい」と前を向いた。