フライト搭乗券の写真・スクショはSNSに投稿してはいけない。詐欺師に利用される危険性あり
年末年始の帰省や、旅行に飛行機を利用する方は、フライト搭乗券の情報の取り扱いに要注意です。 仕事から解放され、つい浮かれて予約したフライトの搭乗券の写真をソーシャル・メディアに投稿したくなるかもしれませんが、そんなことをすると、詐欺師に搭乗券に記載されているデータを利用されて人生がめちゃくちゃになってしまうかもしれません。 セキュリティの専門家がTravel + Leisureのインタビューで指摘するように、搭乗券に記載されたたった1つのコードが、他人に見られたくない機密情報の扉を開いてしまうのです。 ソーシャル・メディアで搭乗券を公開するのは絶対にやめましょう。その理由をこれから具体的にご説明します。
電話番号から家族までバレる。乗客予約記録とは?
すべての搭乗券には、搭乗者の氏名と乗客予約記録(PNR)と呼ばれるコードが記載されています。 PNRとは、航空会社がその搭乗者に航空券を発行するために旅程と個人情報を登録する方法であり、レコードロケーター、予約番号、または予約コードとも呼ばれることもあります。 米国発着または米国内の旅程のPNRには、フライトの詳細に加えて、フルネーム、生年月日、性別、リドレス番号やKnown Traveler Number(KTN)があればそれを含むセキュア・フライト・プログラムのデータが含まれています。 6カ月後にはこれらの記録から個人情報が削除されますが、犯罪者が搭乗者の情報を入手して利用するには十分な時間でしょう。 試しに、私は自分の氏名とこれから行く旅行のPNRだけを航空会社の記録検索に入力してみました。すると、自分の全旅程、航空会社の特典会員番号、電話番号、Eメール、保護されている搭乗者情報、そして同じ予約をしている家族の情報まで見ることができました。 また、パスワードやセキュリティーチェックが無くてもフライトの変更、追加、キャンセルもできたのです。
旅行データを保護するには
PNRを通じて個人情報に簡単にアクセスできるのは明らかにリスクです。ヘタすると、他人によってフライトを変更されたりキャンセルされることもあれば、マイレージを盗まれたりするかもしれません。 最悪の場合、詐欺者が搭乗者データを使って、その搭乗者名義で口座を開設したり、フィッシング攻撃の標的にしてさらに多くの情報を入手し、詐欺やなりすましに関与するかもしれません。 またハッカーが搭乗券のバーコードをスキャンして、搭乗券の持ち主のデータにアクセスする可能性もあります。 念のため、紙の搭乗券の写真やデジタル搭乗券のスクショをソーシャル・メディアに投稿するのはやめましょう。もしどうしても投稿したい場合は、PNRコード、バーコード、搭乗券番号を見えなくしたりぼかしたりしてください。 できるだけ紙の搭乗券の使用は避けましょう。どうしても搭乗券を紙に印刷したい場合は、紛失したり飛行機や空港に置き忘れたりしないようにしてください。そして、最後は破くかシュレッダーにかけて捨てましょう。 ──2023年7月26日公開記事を再編集して再掲しています。 翻訳: 春野ユリ/Source: Travel + Leisure
春野ユリ