元モデル、1993年にトランプ候補に体を触られたと エプスティーン元被告の前で
元モデルの女性が24日放送の米CNN番組で、自分は1993年に後の共和党の大統領候補ドナルド・トランプ前大統領に体をまさぐられたと発言した。米富豪ジェフリー・エプスティーン元被告(故人)の目の前でのことだったという。エプスティーン元被告は性的人身取引で起訴され、2019年の米ニューヨークの拘置所内で自殺した。 元モデルのステイシー・ウィリアムズ氏はCNNで、自分は1993年当時、エプスティーン元被告と交際していたと説明。その元被告に連れられてニューヨークのトランプ・タワーを訪れ、政界入りする前のトランプ候補と会ったのだという。 「私の前に来ると彼はいきなり私をぐいっと引き寄せて、両手で私を触り始めて、いつまでもやめなかった」と、ウィリアムズ氏はCNNに話した。 ウィリアムズ氏はCNNで、「胸の横や腰からお尻まで触られた(中略)手はまた上に戻って、ずっと私に触っていた」と振り返った。この間ずっとエプスティーン元被告とトランプ候補は笑いながら会話を続け、自分は「凍り付いて身動きできなくなった」、「一部始終を自分の体の外から眺めているみたいな感じだった」と話した。 この出来事からまもなく、ウィリアムズ氏はエプスティーン元被告と別れたのだという。 トランプ陣営はこの主張を否定。ウィリアムズ氏が最初にこの話をしたのは、民主党の大統領候補カマラ・ハリス副大統領を支持するイベントでのことだったと指摘した。ハリス候補を支持するそのイベントは「カマラを支持するサバイバーたち」と題され、性的暴力をはじめさまざまな暴力を生き延びた人たち(サバイバー)が集まるものだった。 「大統領選の2週間前にハリス陣営が発表したこの内容は、まぎれもなく虚偽だ」と、トランプ陣営の広報担当キャロライン・レヴィット氏は述べた。 レヴィット氏はさらに、ハリス候補の夫ダグ・エムホフ氏について英大衆紙デイリー・メールが、同氏の元恋人が「強く平手打ちされた」と伝えていることに触れて、「ハリス陣営は明らかに、この深刻な新しい主張から有権者の気をそらせるため、この虚偽の話をでっちあげた。それは明らかだ」と主張した。 デイリー・メールによると、匿名の元恋人はエムホフ氏に2012年に強く平手打ちされたという。 BBCはこの元恋人を特定していない。その主張の内容も検証できていない。 トランプ候補については2016年に最初に大統領選出馬を公表して以来、複数の女性が性的暴行を受けたと名乗り出ている。トランプ候補は女性たちの主張を否定し続けているが、2023年にはニューヨーク・マンハッタン連邦地裁の民事裁判で、1990年代にコラムニストのE・ジーン・キャロル氏を強姦したと認定された。 今年1月にはマンハッタンの連邦地裁が、トランプ前大統領が在任中の2019年にキャロル氏を中傷しその名誉を毀損(きそん)したことについて、計8330万ドル(約123億4000万円)の損害賠償を支払うよう、陪審団が評決を下した。 エムホフ氏は報道担当を通じてデイリー・メール報道を否定。BBCはハリス陣営にコメントを求めているが、回答を得られていない。 (英語記事 Woman alleges Trump groped her in front of Jeffrey Epstein)
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