<超望遠レンズ撮影>北朝鮮の水害復旧現場は今(3) 土砂降りのなのに…黙々と作業する若い兵士、「決死貫徹」のスローガンに追い立てられるよう(写真10枚)
死者、行方不明者が1000人以上発生したともいわれる7月末の集中豪雨。金正恩政権は当初、10月10日の朝鮮労働党創建日までに復旧作業を完了させて、家を失った全ての被災世帯を入居させるよう指示していた。しかし、10月中旬に中国側から確認したところ、平安北道(ピョンアンブクト)新義州(シニジュ)市に接する義州(ウィジュ)郡でも、軍人らを中心に、雨が降りしきる中、復旧作業の真っ最中だった。(洪麻里) ■【北朝鮮写真特集】 秘密撮影! へたり込む人も…強制動員された女性たちの姿撮った(10枚)
◆大雨降っているのに「継続前進」で作業
新義州市から鴨緑江を上流に車で30分ほど走った義州郡でも、大規模工事の様子が確認できた。動員されているのは、ほとんど軍人のようだった。
この日は、土砂降りの雨が降ったり止んだりする天気だったが、関係なく建設作業は進められていた。雨にあたりながら作業する兵士たちの背後には、「継続前進」などのスローガンの大看板が掲げられている。無言のプレッシャーを与えているようだった。
アパート群の建設現場から離れた場所には、兵士たちが寝泊まりするブルーシートで覆われた簡易宿舎があり、HITACHIのショベルカーも使われていた。
時おり、資材を運ぶとみられるトラックが宿舎脇の検問所を通過していた。
食堂なのだろうか。湯気が立ち上るテントもあった。
居住エリアの一角では大根の葉が干されていた。乾燥させて保存し、炒めたりスープにしたりして食べるものと思われる。井戸があって、野菜や手袋を洗う光景も見られた。
午後1時近くになると、昼食を終えたのだろうか。兵士たちが隊列を組み、雨に打たれながら資材を人力で運び、再び建設現場に戻っていった。
11月5日の朝鮮中央通信によると、金正恩氏は鴨緑江沿いの復旧工事現場を視察し、12月下旬に予定されている労働党中央委員会全員会議までには「最上の水準で完工」するよう命じた。
※写真はすべて平安北道義州郡。2024年10月、中国側から撮影アジアプレス
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