世界に広がる「打ち水」 個人でできるヒートアイランド対策
水不足の夏に大量の水使って大丈夫?
ヒートアイランドの抑制に高い効果がある一方で、打ち水は大量の水を使います。夏は水不足になりやすい季節です。水を大量に使うことに抵抗感がありますが……。 「打ち水実行委員会で行う打ち水では、風呂の残り湯や米のとぎ汁、雑巾がけの残り水など再利用水を使うことをルールにしています。水を大事に使うことも打ち水大作戦では非常に重要なテーマです」(浅井さん)
近年、都市部では川が暗渠(あんきょ)化されるなど、気軽に水に親しめる公共空間は減っています。打ち水をする家庭も見かけなくなりました。 それでも、NPOや商店街、ショッピングセンター、学校など地域ぐるみで打ち水に取り組む事例が増えているのです。また、日本独特の文化だった打ち水の効用は海外でも認められています。そのため、最近は海外でも打ち水イベントが開催されているほどです。 昨年、環境省は水資源の大切さを呼びかけるとともに水への関心を高めるために8月1日を「水の日」に定めました。今後、打ち水は日本のみならず海外にも広がっていくことになるでしょう。 (小川裕夫=フリーランスライター)