【バレー】ヴィクトリーナ姫路 レギュラーラウンド全勝で通過しファイナルへ 日本代表に選出の井上愛里沙、宮部藍梨「ファイナルを勝ち切って、オリンピックの出場権獲得へ向かいたい」
宮部藍梨選手「勝たないといけないという気持ちが強かった」
勝ち続ける中で、セリンジャー監督が選手とともに意識していたのが、自分たちにフォーカスをあてて、つねに成長し続けること。「自分たちの基準を高く保ち、一人一人が自覚をもって、日々の練習、1試合1試合を成長につなげていこう」と選手たちに訴え続けた。 それを体現していたのが、おなじく日本代表に選出された宮部藍梨選手。高校や大学時代にはエースとして活躍したが、この姫路では全日本でも起用されることの多いミドルとして、本職のブロックはもちろん、サーブの向上、打点の高さを生かしたスパイクと確かな足跡をのこした。この日も第3セットのラストポイントは、攻撃の形が崩れる中、宮部選手がミドルからライトにまわった攻撃をブロックの上からたたきつけて勝利を手繰り寄せた。「私だけでなく、みんなが、応援してくれる人たちのためにも勝ちたいという気持ち以上に、勝たないといけないという気持ちが強かった。練習を重ねることで、チーム全員がコートの上で、自分たち(の成長した姿)を表現できていることがすごくうれしかった。個人的には、ミドルとしてはまだ2年目。プロとして自信がついたとは言えないが、やるしかないと思っている」と振り返った。
セリンジャー監督「さらにチームのレベルを上げていきたい」
完璧なシーズン。だが、セリンジャー監督は「あと1試合、ファイナルが残っている。1試合で決まる以上、今までの成績は関係ない。相手より大切なのは自分たち。1試合に向けてさらにチームのレベルを上げていきたい」と更なる進化へ、大一番に向けて手綱を引き締める。 Vリーグ最後の試合は3月24日。2位ルートインホテルズブリリアントアリーズと3位群馬グリーンウイングスの勝者を待ち受ける。パリオリンピックへの厳しい道のりへ向かう2人も、ファイナルを戦ってから全日本に合流する。井上選手は「ファイナルでは(チームとして)いままでで一番いいバレーをみせて勝ちたい。そのうえで全日本では、これまでの3年間の集大成として自分たちのベストをしっかり出し切って、まずはオリンピックの切符をつかみたい。そこから自分たちの目標であるオリンピックのメダル獲得に向かいたい」と話し、宮部選手も「ファイナルでは、よりいいパフォーマンスができるように全員で準備したい。全日本のチームとしては、オリンピックのメダルを獲ることが目標。そのためにVNL(バレーボールネーションズリーグ)で出場権を獲れるように、チームの一員として頑張っていきたい」と、それぞれファイナルを勝ち切ったうえで世界に向かう熱い胸の内を明かした。
Vリーグは、この秋「SVリーグ」に生まれ変わる。勿論、ヴィクトリーナ姫路もSVリーグ参入に名乗りを上げている。15チームが参入を表明している中、どのチームが加盟を承認されるのかは現時点では定かではないが、最終戦後のセレモニーで姫路の関係者は、力強く宣言した。「今年の秋は、最高峰のSVリーグに舞台を移します、姫路の皆さん、一緒に戦ってください」 チームとしても、個人としても、そして組織としても、成長への階段を日々のぼり続けるヴィクトリーナ姫路。これからの奮闘ぶりから目が離せない。 (MBSスポーツ解説委員 宮前 徳弘)
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