個人向け国債ってどういうもの? 金利はどうなっているの?
新NISAが始まったことや、このところの株高を受けて、投資に興味を持っている人も多いのではないでしょうか。 リスクを避ける傾向が強かった個人家計資産が、貯蓄から投資へ向かうきっかけになることは、日本経済全体としてプラスと受け止められているようです。 とは言え、株への投資は元本リスクもあります。しかし、投資に当たって元本保証を求める人も少なくないので、今回はそんなときにチェックしたい個人向け国債と、その金利について学んでみましょう。
個人向け国債とは
個人向け国債は、元本保証を筆頭に6つの特長が挙げられます(※1)。「元本割れなし」「国が発行だから安心」「0.05%の最低金利保証」「1万円から購入可能」「年12回発行」「中途換金可能」です。 国債には3つの種類があります。「変動金利型10年満期」「固定金利型5年満期」「固定金利型3年満期」です。 ここでは、「変動金利型10年満期」(変動10)に的を絞って見ていくことにしましょう。
変動金利型10年満期国債とは
「変動10」の特長は以下の通りです。 ●半年ごとに適用利率が変わる「変動金利」が採用されています。 実勢金利の動きに応じて半年ごとに適用利率(基準金利)が変わり、そのときどきの受取利子の金額が増減します。仮に3年後の実勢金利の水準が現在よりも上昇した場合は、その分、受取利子が増えます。なお、固定金利の場合は、受取利子は3年後も変わりません。 ●最低金利保証(0.05%)があるので安心です。 ●発行から1年経過すればいつでも中途換金可能です。 (ただし中途換金をすると、直前2回分の金利分は控除されます) ●そのほか、利子の受け取りは年2回、購入単位は1万円から、毎月発行(年12回)されます。
金利の基準金利と適用利率とは
先ほど「基準金利」「適用利率」という言葉が出てきましたが、この場合の基準金利とは、市場金利のことで、「利子計算期間の開始日の前月までの最後に行われた、10年固定利付国債の入札における平均落札価格を基に計算される複利利回りの値」と決められています(※2)。 適用利率は、基準金利に0.66を掛けた数値とされていますが、下限値は0.05%とされており、それ以下にはなりません。