<若葉竜也>「アンメット」で「世界に知られてしまった」と話題 「有名になるとかブレークとか本当に興味がない」
--7話で今泉力哉監督がコーヒーショップの店員役として出演しました。今泉監督とどんなお話をされましたか?
今泉さんが出たらきっと面白いだろうなと前からぼんやり思っていて……。プロデューサーの米田さんや杉咲さんに話したら、2人とも今泉さんどうかなと同じように思っていたみたいで、なるほどじゃあどこではめられるかなと……カフェ店員役は割と満場一致でしたね。
--これまでの放送で、好きなシーン、印象に残ったせりふがあればお教えください。
アドリブっぽく見えるとこほど、実は台本があって、台本にないアドリブは、わりとバレてないんです。そういったあたりの感想を見て、ニヤニヤしてますね。例えば、6話の「チクっとしますよ」というのは、台本通りです。あれは、何カットも撮った上で笑うタイミングとか、せりふの間とかしっかり作られた芝居として存在していて。逆に、3話の「ぶっ飛ばします。昨日ロッキー見たんで」、あれはアドリブですね。原作の中に、三瓶はロッキーが好きというくだりがあったので、頭にあって。その場でやってみて、そのシーンを撮影してから、スタッフさんがせりふとして“ロッキー”が使えるかを確認してましたね。台本では「あの野郎」だけでした。そういうシーンはたくさんあるので見つけてください。自分のお気に入りを探してくれたらうれしいです。個人的には星前(千葉雄大さん)がお母さんのことを話すシーン。感動しました。素晴らしすぎるお芝居でしたよね。あとは術者の景色を見たミヤビが「忘れたくないなあ」とつぶやくシーン。杉咲さんがあのせりふをあの温度で発したことに鳥肌が立ちました。4話のラスト、綾野(岡山天音さん)の「前にもこんなことあったな」っていうところも本当に素晴らしかったですね。
--10話や最終話にむけて「アンメット」視聴者にメッセージをお願いします。
前回の9話は、「アンメット」チーフ助監督の日高(貴士)さんが監督をしていて、ずっと傍らで見てくれていた方だったというのもあって、自由にやらせてもらいました。最後のシーンは、14分長回しだったり。近くで見ていてくれたからこそ、撮れた画(え)がたくさんある。照明部、撮影部、録音部、演出部という各部署が力を合わせていろんなアイデアを出して一致団結できたなと思います。撮影前のリハーサルでは数十人のスタッフが輪になって芝居を確認して1カットのために1時間以上セッティングして全員緊張してカメラが回る。最高にぜいたくな時間でした。10、11話は、またメーン監督のYuki(Saito)監督が担います。Yuki監督は繊細に芝居を見て、すくい取ってそれをしっかり作品に組み込む方なので俳優としては緊張する相手です。同時に僕もそんな監督が何を見つめているのかを細かく見ています。演出家と俳優として緊張感がある理想的な関係性なので、一瞬の油断もできません。我々は9話ラストから10、11話は1本の作品だと思ってます。いろいろなものがうごめき出していきます。ぜひ目撃してください。